【密着25時】阪神・西勇に染みつくプロ意識 巻き返し期す16年目 徹底マークで見えた
「阪神春季キャンプ」(4日、宜野座)
デイリースポーツ担当記者が1人の選手の一日を徹底マークする「密着25時」。今春キャンプの第1弾として、阪神の西勇輝投手(33)の登場です。不本意な成績で終わった昨季からの巻き返しを狙って、第1クール4日間で3度ブルペン入りして、この日は今春最多の71球。16年のキャリアだけに2月の過ごし方を熟知しており、グラウンド以外でも随所にプロ意識の高さをにじませている。
沖縄で過ごす1カ月間、西勇の朝は早い。チームバスが宿舎を出発する2時間以上前の、5時半に起床する。「朝起きてお風呂につかって、朝ご飯食べて。部屋に帰ってきて、治療して。荷物の準備は前の日にやってるので、体の準備をしています」。最高のコンディションで練習に向かうための、モーニングルーティンを打ち明けた。
睡眠の状態を把握するために、就寝時はスマートリングを着用している。ホテルの部屋ではテレビをつけることはほとんどなく、リフレッシュのための私物も皆無だという。持ち込んだ物は「治療器くらいかな」という徹底ぶりだ。
ホテルでの朝食や球場での昼食はすべて栄養士と相談。「どれを食べていいかを聞きます。食べるグラムも決まってるので」。体重を2、3キロ増量して85キロとするために、食事管理と合わせて昨年末からウエートトレーニングも強化しており、長いシーズンを戦うための体作りに余念はない。
今春キャンプのブルペンでは初日に50球、2日目に52球。中1日空けたこの日は横川ブルペン捕手を相手に、スライダー、チェンジアップを交えて今キャンプ最多の71球を投げ込み。ストライクゾーンの四隅を突く投球が目立った。
「変化球と真っすぐを投げて、自分から見えてる世界と、審判から見えてる世界を合わせていかないといけないので。ただ好きなコースに投げるのもいいんですけど、(ボール)1個高いのか低いのか、1個余裕があるのかないのか、審判に聞いといて損はない。基本的に隅を狙って、そこから審判のクセも見抜いて」。ボールの質を上げる以外にも、シーズン前にこなすべき準備は多い。
投球フォームの改善にも着手しており、「腕の動かし方にロスがあったので。左手の使い方をパワーを伝えられるようにしています。セットポジションだけですけど」と意図を説明。「新たな取り組みはどんどんやっていってるので。シーズン終わって12月からやってみたいことができましたし、そういうのがいい方向にいって、いい感じです」。プロフェッショナルを貫く先の進化を、まずは今季初実戦となるであろう今月末のオープン戦で証明する。(デイリースポーツ・丸尾 匠)
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