前阪神の高山 新潟入り決断 イースタンからNPBへ「まだプロ野球選手目指してやりたい」

 阪神から戦力外通告を受けた高山俊外野手(30)が、来季からイースタン・リーグに新規参入するオイシックス新潟アルビレックスBCに入団することが4日、分かった。今季は1軍出場なしに終わったが、11月の12球団合同トライアウトでは5打数2安打2四球1盗塁と存在感を発揮。2016年のセ・リーグ新人王が新天地で結果を残し、NPB返り咲きを目指す。

 もう一度、NPBの舞台で輝くため、高山が決断を下した。新天地に選んだのは、オイシックス新潟アルビレックスBCだ。

 「小さい頃から野球をやっていて、プロ野球選手を目指して、いったん戦力外という形になりましたけど、まだプロ野球選手(NPB)を目指してやりたい」

 11月15日、12球団合同トライアウトに参加した後、素直な思いを明かしていた。過去には20年オフに広島を戦力外になった藤井が、21年に四国ILp・高知で圧倒的な成績を残してソフトバンクに入団。NPB復帰1年目にキャリアハイの成績を残した例がある。高山も来季からイースタン・リーグに新規参入する新潟で結果を残せば、短期間で返り咲く可能性はある。

 虎の戦力外組では小林も同球団の入団が発表されており、山本と板山は中日へ。二保もテストを経てロッテ入団が決まった。北條は社会人野球の三菱重工West入りが内定し、渡辺雄は現役引退を発表。高山の去就に注目が集まっていた。

 高山は15年度ドラフト1位で阪神に入団。1年目は134試合に出場し、打率・275、8本塁打、65打点を記録して新人王に輝いた。だが、2年目以降、成績は下降線。今季は春季キャンプで岡田監督から直接指導を受けるなど、再起を期待されていた。高山も「今年にかける気持ちは強かった」と不退転の覚悟で挑んだが、1軍出場なし。10月3日に阪神から戦力外通告を受け、8年間在籍したタテジマに別れを告げることになった。

 それでも現役続行を諦めなかった。「自分の今、持っている力を出そう」と臨んだ12球団トライアウトでは1打席目に右中間二塁打をマーク。3打席目は右前打を放ち、二盗も決めた。「元気な姿、体はまだまだ動くということを見せられたのは良かったと思う」。守備でも外野全ポジションに就き、健在ぶりをアピールしていた。

 今季は2軍暮らしが続く中でも、鳴尾浜でひたむきに汗を流してきた。「いろいろと向上、レベルアップはできたと思う」。泥くさく、最後までしがみつく。新潟の地から復活を期す。

 ◆高山 俊(たかやま・しゅん)1993年4月18日生まれ、30歳。千葉県出身。181センチ、87キロ。右投げ左打ち。外野手。背番号9。日大三から明大を経て、15年度ドラフト1位で阪神入団。プロ1年目の16年3月25日・中日戦(京セラドーム=開幕戦)で初出場初先発(1番・左翼)。新人王(16年=球団史上8人目)。

 ◆オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ(BC) 2006年に創設され、07年からBCリーグに参加。来季からイースタン・リーグに新規参入が決まり、食品宅配会社「オイシックス・ラ・大地」(東京)とメインスポンサー契約を結び、現在のチーム名となった。監督はヤクルトなどでプレーした橋上秀樹監督。今オフはすでに前阪神の小林慶祐投手、前広島の薮田和樹投手、前巨人・三上朋也投手、前DeNAの田中俊太内野手、前オリックスの園部佳太内野手の獲得を発表している。

 ◆2024年のイースタン・リーグ 日本野球機構(NPB)が今年5月に2軍戦のみに参加する新規球団を公募。11月のオーナー会議で「オイシックス新潟アルビレックスBC」のイースタン、静岡市に本拠地を置く「ハヤテ223(ふじさん)」のウエスタン参加が正式承認された。高山がプレーする来季のイースタンはDeNA、巨人、ヤクルト、ロッテ、楽天、西武、日本ハムと新潟の8球団で行われる。

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