阪神・岡田監督見つけた「1人おったなあ、おーん」 柵越え連発!育成・野口のリストワークを高評価

 この日の屋外での練習をすべて終え、声を張り上げる野口(撮影・石井剣太郎)
 打撃練習する野口
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 「阪神秋季キャンプ」(11日、安芸)

 阪神育成の野口恭佑外野手(23)が11日、岡田監督の目に留まった。この日から合流した1軍首脳陣の前で行ったフリー打撃では、90スイング中19本の柵越えを記録。指揮官からは「1人おったなあ、おーん。野口やなあ」とリストワークの強さを評価され、支配下登録へ向けて、いきなり猛アピールに成功した。

 背番号「121」のバットから放たれた打球が、安芸を訪れた2000人の虎党をざわつかせた。いとも簡単に、白球は次々とスタンドを越えていく。観客だけではない。岡田監督の心も射抜いた。

 「野口やなあ、リストワーク使えて、だから遠くに飛ばせるわなあ。そんな力入れてないで、あれ。そういうの、あんなんやっぱり自分でつかんだんか知らんけど、なあ、できるんよなあ」

 1軍首脳陣がこの日から合流。「いつもと違う緊張感というか、そういうのは感じました」と野口はいつも以上に気を引き締めてフリー打撃に臨んだ。指揮官らも熱視線を送る中、90スイング中19本の柵越えを記録。左翼に14本、左中間に15本で最長3連発。防球ネットの最上部にも次々と放り込んだ。

 見守った指揮官はリストワークの大切さを説いた上で、「1人おったなあ。おーん、野口やなあ」と唯一の及第点を与えながら評価。育成1年目ながら、いきなり監督の目に留まった。ただ「リストは全然、あんまり意識してはないです。本当になんかドンって思いっきり打ってる感じですね」と野口。意識せずともできてしまう潜在能力の高さを見せ、岡田監督に名前を挙げられたことには「大体いつもそういうの呼ばれたことないので、うれしいです」と顔をほころばせた。

 無風の中で特大弾を量産し、周囲の度肝を抜いたが「もう飛距離見てなかったんですけど、別に…風じゃないですか?」とここでも自覚なしの“らしさ”を全開。「今日は詰まりが多かったので、やっぱり力入ってるのかなとか。そこは明日修正して」。誰よりも飛ばしていたにもかかわらず、本調子ではなかった様子で反省しながら、さらなる驚弾も予感させた。

 「とにかく一日一日充実してるので、アピールするなって言われたんですけど、自分はいつも通りやって、それで見ててくれたらうれしいなと思います」。指揮官お墨付きの打撃で猛アピールし、一日も早く背番号2桁を手に入れてみせる。

 ◆野口 恭佑(のぐち・きょうすけ)2000年7月17日生まれ、23歳。長崎県出身。180センチ、88キロ。右投げ右打ち。外野手。創成館、九産大を経て22年度育成ドラフト1位で阪神入団。推しの芸能人はTWICEのジヒョ。

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