阪神・和田2軍監督 1軍同様に「選球眼」四球見極め重視 桐敷&小野寺1軍で開花 門別、井坪ら新人奮闘【総括】
阪神のファームを特集する企画「熱鳴-鳴尾浜情報-」。第6回は一足早く今季2軍を総括する。今季残り3試合となった2軍は、和田2軍監督が開幕当初から1軍同様に「選球眼」を重視。チームの四球数はリーグトップと数字にも表れた。昇格と降格を繰り返していた桐敷、小野寺は1軍に定着し活躍。門別や井坪ら新人選手の奮闘も目立ち、来季以降につながるシーズンだった。(数字は28日現在)
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昨季ウエスタン・リーグ連覇を果たした阪神2軍は現在4位。ただ、今後につながるシーズンだった。8季ぶりに現場復帰した和田2軍監督は、開幕当初から1軍同様、四球を見極める「選球眼」を重視。「こっちの選手が1軍に行ってからやると遅いからね。ここにいる時に癖をつけて、上がった時に他の選手と同じ意識でできるように」と意図を明かした。
四球からチャンスをつくり、得点につなげる。「上がやっていることは下でも徹底的に」と岡田野球を体現。これを象徴した試合が6月17日の広島戦(由宇)だ。チーム全体で13四球を記録し9-0と大勝した。ここまでチームの四球数は382でリーグトップを誇っている。
1軍で花開いた選手も現れた。1人でも多く1軍に送り込むだけでなく、「1軍に行ってなかなか活躍できず行ったり来たりっていう、そういう殻を破らせたかった」と2軍指揮官。その例に挙げたのが桐敷と小野寺だ。
桐敷は前半戦ファーム暮らしが続いたが、フレッシュオールスターを機に、中継ぎとして昇格。後半戦は岡田監督に「スペードのエース」と称されるほどの活躍を見せた。小野寺も昇格と降格を繰り返していたが、8月中旬から1軍に定着した。
新人選手も奮闘した。ドラフト2位の門別がシーズン序盤から潜在能力の高さを発揮。春季キャンプ中に実戦デビューを果たし、公式戦初先発した5月10日のウエスタン・広島戦(由宇)では5回3安打1失点と結果を残した。7月18日のフレッシュオールスターではウエスタン選抜の先発に抜てき。9月15日・広島戦(マツダ)では1軍デビューも果たした。
野手では開幕直後から5月中旬まで井坪が打率3割以上を維持。和田2軍監督は「一振りで仕留める時と粘ってヒットにすることもある。ボール球もあんまり振らないし」と評価していた。育成の野口も8月に入り4本塁打を記録するなど覚醒。球団選定ファーム8月度月間最優秀選手にも選ばれた。
他の新人も多く遠征に帯同させ、積極的に起用。その方針には2軍指揮官の思いが込められていた。「まだまだっていう選手もいるけど、将来楽しみだなっていうのが見えるので、それに向かって努力している姿を見ているし、できる限りはチャンスを与えたい」。
ファームは勝つことが全てではなく、経験を積ませることも大切。「出るたびに失敗するんだろうけど、少しずつでも力をつけて、技術だけじゃなくて考える力も。同じ失敗を繰り返さないっていう、それで成長していくと思うから」
ルーキーたちの将来に期待を込め、各選手も一年を通して試行錯誤。まだまだ課題はあるが、着実に成長を遂げている。ここからどんな選手に成長していくのか、第2の桐敷、小野寺に続く選手は-。虎の未来が楽しみになる今シーズンだった。
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