阪神・森木 高卒2年目の“現在地” 変身と変心 「自分だけ」から「人の意見必要」青柳ら先輩から助言吸収
阪神のファームを特集する企画「熱鳴-鳴尾浜情報-」。第3回は森木大智投手(20)の“現在地”をお届けする。昨季は1軍デビューを果たすも初勝利はつかめず。高卒2年目の今季はまだ1軍登板がなく、ウエスタン10試合で2勝3敗、防御率6・69。球の質を向上させるため試行錯誤している。昨年の悔しさを胸に、今季こそ初勝利を挙げることを誓った。
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壁にぶつかりながら奮闘を続けている。森木はルーキーイヤーの昨季、1軍で2度先発したが初勝利は挙げられなかった。10月のフェニックス・リーグでは首の張りを発症し、離脱。3月に実戦復帰を果たしたが、今季はまだ1軍登板がない。
ウエスタン10試合(先発は4試合)で2勝3敗、防御率6・69。「あんまり思ったようにはいってないんですけど、ちょっとずつ良くなってる感じはある」と現状を明かした。
1軍昇格を目指し、球の質を上げるためにフォームの重心を試行錯誤している。「軸足のパワーポジションにはまっていなくて、球がばらばらしていた」と春季キャンプからは重心を高くしてみたという。インコース、アウトコースに投げ分けることをテーマにして取り組んだが「逆に(球が)ばらついたりとか、球の質が落ちたりしていた」と奏功せず。
「重心が高くなりすぎて体幹も使えず、小手先で投げてる感じがあった」と逆効果だったため、6月に入ってからは重心の位置を元に戻した。ふわふわした状態で投げている感覚があり、土台を固めるために股関節のトレーニングも重点的に行った。「伸びるボールも増えてきて、シュート回転も減ってきた」。工夫を重ね、徐々に手応えを得ている。
周囲の存在も糧となっている。特に青柳には助言してもらう機会が多いそう。「『ストライクゾーン内で勝負すれば大丈夫だよ』と言ってもらった」ことで気持ちが楽に。
元々は自分のやり方を変えたくないタイプだったが、「自分だけになりすぎてた部分があった。もうちょっと人の意見も必要だな」と考え方にも変化が生まれた。それからはいろんな人に助言を求め、石井や大竹の投球の間合いも参考にした。
「とにかく取り組みがすごく丁寧で、細かくこだわってやってるのが成功の秘訣(ひけつ)なのかなと。自分に負けていたらダメなんだなってすごい思いました」。鳴尾浜で練習する先輩2人の姿にも刺激を受けた。
同期で同い年の前川、中川は今季1軍を経験。「もちろん個人的にはうれしい部分もあるけど、やっぱり同じ舞台でやりたい」と同期の奮闘に1軍への思いはさらに強まっている。前川には「このタイミングでこれ投げたらどう?」と質問し、中川とは試合を見ながら配球の話をするなど意見交換も行い、お互いを高め合っている。
昨季は1軍のマウンドを経験し、悔しい思いもした。「自分のボールをしっかり投げて、1軍でまずは初勝利することが今年の目標。絶対達成するためにやっていきたい」。強い気持ちで2年目の進化を見せる。
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