阪神・門別 堂々150キロデビュー 37年ぶり球団高卒新人左腕1軍登板 初星ならずも3回3失点収穫62球
「広島東洋カープ6-5阪神タイガース」(15日、マツダスタジアム)
阪神ドラフト2位の門別啓人投手(19)が収穫いっぱいのプロデビューだ。この日1軍昇格し3回3失点も、最速150キロを計測するなどキレのある球を投げ込んだ。球団で高卒新人左腕が1軍登板するのは1986年の遠山昭治以来37年ぶり。18年ぶりのリーグ制覇から一夜明けたチームは広島に敗れ、連勝は11で止まった。
初々しく少し緊張した様子でマウンドに上がった。門別が86年・遠山昭治以来の球団高卒新人左腕の1軍デビュー。収穫たっぷりの62球だった。
「1軍のバッターと対戦して、通用するんだなっていうところもあったし、まだまだだなって反省もあった」
三回は先頭のマクブルームには四球。3安打を浴びるなどし3失点したが、この日最速の150キロも計測した。「先輩方が(マウンドで)声をかけてくれて、緊張もほぐれていきました」と四回以降はピンチを背負うも無失点。プロ初打席にも立った。3回6安打3失点でプロ初奪三振も記録。「真っすぐがいいところに決まればファウルを取れたりした」と自信も得た。
「まじで1軍行きたいです!」。門別は何度もそう口にしていた。昨秋のドラフト指名直後から「1年目から1軍で活躍したい」と宣言。その思いが強くなったのは6月13日、甲子園でオリックス戦を観戦した時だった。
「ファームとファンの数も応援も雰囲気も全然違った。そこから1軍に行って早く投げたいなと思い始めました」。大観衆の中で投げ合う村上と山本の姿に目を輝かせた。
「ストレートが速い方ではない西(勇)さん、秋山さんも『ストレートが一番大事』と言っていた」と先輩の教えから直球の質にこだわり、真っすぐな回転軸になるように意識。「浮き上がってるように見える球」を目指して取り組み、1軍マウンドにたどり着いた。
ただ、この日は直球の質がまだまだなことを痛感。それでも「思ってるよりも早く1軍の舞台で投げられたので、結果はどうであれいい経験になった」と充実感を漂わせた。忘れられない一日を糧に、未来のチームを担う左腕に成長していく。
◆門別 啓人(もんべつ・けいと)2004年7月10日生まれ、19歳。北海道出身。183センチ、86キロ。左投げ左打ち。投手。東海大札幌から22年度ドラフト2位で阪神入団。今季ウエスタンは11試合で2勝2敗2セーブ、防御率3.12。1月の入寮時は他界した妹の名前を刺しゅうしたグラブを持参。
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