阪神・村上 10勝目チーム一番乗り!床田との防御率争い圧投 0勝から3年目で開花

 先発し力投する村上(撮影・山口登)
 今季10勝目を挙げ、笑顔でポーズを決める村上
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 「阪神タイガース4-1広島東洋カープ」(8日、甲子園球場)

 甲子園に秋のにおいと勝利の余韻が漂う。守護神から10勝目の勝利球を受け取り、阪神・村上頌樹投手は破顔。それでも「チームに貢献できたことがうれしい」と、重みのある一戦で仲間とつかんだ白星を喜んだ。

 「最初から飛ばしすぎました。チームとして大事な試合だったので、気合入りすぎて」

 自然とギアは上がっていた。七回までは二塁すら踏ませない圧巻の投球。序盤から驚異的なペースでアウトを積み重ねた。八回1死からデビッドソンに右翼フェンス直撃の三塁打を献上し、続く代打・松山に右越え適時打浴びてちょうど100球で2番手・島本にバトンタッチ。ピンチを残して降板となり悔しさをにじませたが、スタンドからはねぎらいの拍手が送られた。

 7回1/3を6安打1失点で2桁勝利をマーク。新人と外国人選手を除き、前年まで通算0勝の投手が達成するのは、阪神では2008年の岩田稔以来だ。防御率はリーグ1位を維持する1・76に良化し、この日投げ合った同2位の床田に一歩リード。タイトル獲得も現実味を帯びてきた。

 昨季は1軍登板なし。こんな声もある。矢野前監督はなぜ村上を使わなかったのか-。今季の活躍を見れば、そう思うのも無理はない。だが、1軍に定着した今、村上は思う。「去年の自分やったら、1軍に上がれないのは当然だ」

 実感した圧倒的な違い。「1軍の選手はみんな自分を持っていて、周りに流されることなく、やるべきことに集中している。2軍の時、頑張ってなかったわけじゃないけど、そういう違いは感じます」。未熟な自分に気付いたからこそ、ローテの柱と呼ばれるまでに成長できた。

 だからこそ、歩みは止めない。「投げるなら残り試合、全部勝ちたいですし、そこは10勝したからって変わらない」。目標だった数字は、ただの通過点になった。アレを狙う猛虎に欠かせぬ男は、まだまだ進化を続ける。

 ◆前年まで0勝からの2桁勝利 村上が10勝目。阪神で前年まで通算0勝の投手が2桁勝利を挙げるのは08年の岩田稔以来。

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