阪神・木浪 自己最多5打点 先制V撃!「ヤギさんのために」猛打ショー
「阪神7-2DeNA」(11日、倉敷マスカットスタジアム)
左へ、中へ、右へ-。阪神・木浪聖也内野手がスプレーヒッターの活躍で猛打賞をマークして、自己最多の5打点。首位攻防第1ラウンドで先制点と追加点をもたらした。「5打点は初めてなので出来過ぎかなとは思いますけど、ちょっと(調子が)落ちてたので、これをきっかけに上がっていければ」と充実の汗を流した。
ネクストバッターボックスから「聖也、頼むぞ」と期待の視線が向けられる。声の主は青柳だ。「任せてください」と力強く返した木浪が打席に向かう。
三回2死満塁から笠原のチェンジアップを捉えると、打球はぐんぐん伸びて中堅・桑原の頭上を越えた。走者一掃の先制3点適時二塁打となり、ベース上で手をたたき、盛り上がるベンチに両手を挙げて応えた。
「思い切って振った結果がああなったので、越えてくれて良かったです。ヤギさん(青柳)が久しぶりの登板だったので、楽に投げてもらいたいと思っていました」と誇った一撃は決勝打に。これで満塁機は9打数5安打で打率・556と、抜群の勝負強さを誇る。
先取点のプレゼントだけでは終わらない。1点差に迫られ迎えた五回1死二、三塁で、再び打順が巡ってきた。「皆さんがつないでチャンスで回ってきた。これは初球いこう」。心を決めて上茶谷の初球ストレートをはじき返すと、打球は前進守備の間を抜けて2点右前適時打に。二回の左前打と合わせてこの日3本目の安打で、貴重な追加点を挙げた。
チームにとって6月29日・中日戦以来9試合ぶりの2桁安打のきっかけとなり、2位・DeNAとの3連戦初戦勝利に貢献。「このまま流れに乗っていけたら。明日すごい大事なので、入りからしっかりやっていきたいです」。倉敷の夜空に響く虎党の勝ちどきを聞きながら、甲子園での第2ラウンドにも必勝を期した。