【藤田平氏の眼】度胸の良さと魂を感じる阪神・石井の投球

 「阪神1-0ヤクルト」(8日、甲子園球場)

 魂を込めたようなピッチングだった。八回に登板した阪神・石井だ。きっちりと打者3人で抑えたことで岡田監督からの信頼も厚くなっただろう。

 度胸の良さを感じる。リードは1点。さらに対戦した代打・川端や青木は経験豊富のベテラン打者だ。それでも気後れせず、投げっぷりが良かった。ストレートも変化球もキレがいい。浜地が本調子ではない中、石井の好投はチームにとって大きな意味がある。

 九回を締めた湯浅と同様に石井は独立リーグ出身。ハングリー精神もあるだろう。オープン戦から好投を続けたことで、この日のような緊迫した試合の重要局面を任される立場を勝ち取った。マウンドに立つ石井からは今年に懸ける思いを感じ取れる。

 先発・大竹はリズムの良い投球が光った。当初先発予定だった5日・広島戦が雨天中止となり、この日の先発へ。リーグ連覇のヤクルトが相手となったが持ち味でもある投球テンポの良さで終始、自分のペースで試合を進められていた。

 打線が犠飛で奪った1点を投手陣が守りきった勝利。前日7日・ヤクルト戦も1得点。攻撃陣が本来の状態でない中で見せた投手陣の働きは非常に価値がある。

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