【藤田平氏の眼】1点の怖さを知る岡田監督らしい野球 計算づくだった三回、中野の二盗
「阪神6-3DeNA」(31日、京セラドーム大阪)
18年ぶりのリーグ制覇を狙う阪神は、投打がかみ合った戦いで逃げ切り勝ち。15年ぶりにタテジマに袖を通した岡田彰布監督(65)が、見事なタクトで開幕戦勝利をたぐり寄せた。デイリースポーツ評論家・藤田平氏(75)も「岡田監督らしい、きっちりとした野球」と采配を絶賛した。
◇ ◇
開幕戦から岡田監督らしい、きっちりとした野球が見られた。この日の6得点のうち、犠飛で2点、スクイズで1点。それぞれの得点の前には走者を動かし、ちゃんと状況を作っていた。
先頭の中野が四球で出た三回には、次のノイジーの4球目に走らせた。打席が外国人で、カウント1-2と変化球が来る場面(実際にチェンジアップだった)。この回は得点には結びつかなかったが、こういう盗塁、走塁が相手の守備にプレッシャーを与えていくものだ。昨季までは基本的に選手任せで、やみくもに走らせていた印象があったからね。
岡田監督は1点の怖さを知っている。だからこそ、点差があろうと取れる時にきっちり点を取る策を練る。開幕戦からしっかりこういう野球をやって勝つことができた。それぞれが初戦から投げて、これで中継ぎ陣も落ち着いていくよ。“監督のやる野球についていけば勝てるんだ”という意識が選手に浸透していけば、このままチームは乗っていける。