阪神・近本「ヒットが出るから楽しい」ではなく「どうやってヒットを打つかが楽しい」

 阪神の近本光司外野手(28)が27日までにデイリースポーツのインタビューに応じ、今季の目標として「言うまでもない」と“アレ”を宣言した。5年目の開幕を迎える選手会長は自身初となる優勝への思いや打撃についての持論などを語り尽くした。

  ◇  ◇

 -オープン戦を振り返って思うような調整はできたか。

 「何をもって調整なのか、よく分からないんですよね。こういうことをしたら、どういう反応が出るのか試している状態で、それを調整というのか分かりませんが、それで感じたことを『引き出し』に入れて、シーズン中にそれを取り出していくというふうに思っています」

 -キャンプでは「初球で決める」「追い込まれても三振しない」などテーマを決めて打席に立つと話していた。設定したテーマに対する反応は。

 「野球って駆け引きなので、いくら僕が『ストレートを待っていて、変化球が来た時の反応を知りたいな』という打席があったとしても、ストレートしか来ない時もあるんですよ。でもそれが野球だと思いますし、それができるのもオープン戦だと思っています。でも、シーズンに入ったらテーマなども持っていません。オープン戦だから、理想とかテーマを求めて『どう反応が出たのか』『次の打席はこうやっていこう』というふうにできますが、シーズンに入ったら『どうやったら先頭(打者)で出られるのか』『どうやったら流れを変えられるのか』という方向に持っていくので、オープン戦の成績はあまり気にしていません。逆に(オープン戦で)やってきたことって(シーズンで)生きるのかなと思ったりします。『引き出し』に入れて、それを引き出そうと思っても、何とか(塁に)出ないといけないという自分もいるから、メンタル的には同じ状態ではないんですよ。だから『やっていることに意味はあるのか』と思う時もあります。それよりも純粋に『オープン戦でもヒットを打ちたい』と思ってやる方がいくらか楽しいだろうなと思います。何だったらシーズンに入って全然打てない方が楽しいと思います。『なんで打てないんだろう』『こうかな』と思う方が楽しいです」

 -21年は安打数、得点数、本塁打数などキャリアハイを記録したが、22年は数字が落ちた。要因は何だったのか。

 「チームの状況もあるし、その時のメンタルもあります。ただ、自分の中で一昨年のバッティングが良かったかというと、僕はあまりそうではないと思っています。(バッティングは)日々更新されていくものなので、外部的な見た目(数字)よりも内部的(内容)なものは一昨年より去年の方が好きです。良くも悪くも経験が蓄積されているので、野球に対する考えやバッティングに対する技術的な面を考えると、去年の方が全然好きだと思いますし、むしろ今の方が好きだとも思います。成績だけを見れば一昨年の方がいいと思いますけど、試合数もチーム状況も違うし、比べることでもないのかなと思います」

 -数字は下がったが「引き出し」は年々増えている。

 「そうですね。『引き出し』をどれだけ増やして、それをつなげるかということがすごく大事だと思います。『引き出し』を増やすだけでは意味がないので、それをつなぎ合わせる力、今の状態を認識できる力も大事です。その作業が楽しいので、打てない時の方が楽しいですし、何とかこの試合で一本打たないといけない、どうやったら今日の4打席を伏線にして、明日につなげられる打席にできるのかというのがすごく楽しいです」

 -昨年は30試合連続安打もあったが、楽しかったわけではない。

 「ヒットが出るから楽しいわけじゃないんです。どうやってヒットを打つかが楽しいんです。絶対に打たないといけないっていうのがすごく楽しいんですよ。あの時は逆に自分でプレッシャーかけるようにしていました。そうしないと200安打なんて、余裕で(精神的に)つぶされるなと思いました。残り10試合で残りヒット数が10本だったらつぶれるなと。だから自分で自分にプレッシャーをかけて、それでも何とか(安打を)続けないといけないと思ったので、楽しかったです」

 -安打数や得点数、盗塁数いろんな数字があるが、一番こだわる数字は。

 「それも年々変わってくると思いますが、こういうメディアとかで話す時は安打数って言っているので、それで(笑)」

 -200安打を打とうと思ったら絶好調の時期を作らないといけない。

 「確かに1日4安打、3安打を何試合作れるか。3割を打とうとしたら必要なアウトがあるんです。自分の状態をキープするためのアウト、犠牲が必要なんです。でも、それをやりすぎると、去年とかは特にそうでしたけど、波ができずに安打数が伸びない。貪欲にがむしゃらに、全ての打席でヒットを打とうとしてしまうと(調子が)悪くなった時にどう持ちこたえるかというのが分からないので、波を作るというのもある意味、大事だと思っています」

 -外野の要として中堅を守る。右翼の森下選手について。

 「試合中でもプレー中でも、コミュニケーションは取っていますね。純粋な子じゃないでしょうか。野球自体を楽しんでいるし、プロ野球選手というのも楽しいでしょうし、それがいいんじゃないですか。(初々しさが)ありますね」

 -WBCを見て感じたことは。

 「プレーしていたら楽しいでしょうけど、見ることが楽しいかと言われたらそうじゃないです」

 -WBCを経験した湯浅選手、中野選手に変化は。

 「あるでしょうね。特に準決勝(メキシコ戦)だったら、むー(中野)に(打席が)回ってきてほしかったです。それが阪神にとってのプラス材料だと思うので。いい結果であろうが悪い結果であろうが、これからのアイツの人生の中ですごく重要な1打席になったと思うんです。アイツの中でホッとした部分というか、(打席が回ってこなくて)良かったと思うのが95%くらいあったとしても、5%くらいは俺が(走者を)かえしてやるとか思っていたかもしれない。それで負けたとしても絶対プラスになると思います」

 -メキシコ戦では湯浅選手も登板した。

 「(1点も許したくなかったと思うが)1点でしのいだから良かったと思えるのか。でも1点で抑えられたから、その後の逆転にもつながったと思います」

 -帰ってきて話すのが楽しみ。

 「僕はそこまで踏み込んで話はしないと思います。片耳で聞いている感じです(笑)」

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