阪神・西純「(自分は)大舞台に強いタイプ」 満員甲子園の「独特な雰囲気」も追い風に

 「阪神春季キャンプ」(22日、宜野座)

 デイリースポーツ評論家・中田良弘氏(63)が宜野座キャンプに参加している阪神・西純矢投手(21)と対談した。高卒入団4年目を迎える若き右腕は肉体的、技術的にも順調に成長中。メンタル面についても、満員の甲子園でも物怖じしない「大舞台に強いタイプ」と分析した。

  ◇  ◇

 中田良弘氏(以下、中田)「体もどんどん大きくなっているね。体重はどれくらい増えたの?」

 西純矢(以下、西純)「高校の時が81キロで、今が98キロです」

 中田「何を食べてるの?」

 西純「普通にご飯を食べて。ちょっと太っていたりする時もありましたけど、今はだいぶん良い感じに体ができ上がってきていると思います」

 中田「体重がうまくボールに伝わっているよね。スピードもどんどん上がっているね」

 西純「高校の時に154キロは出ていましたけど、プロに入ってすごく落ちて。1年目は145キロぐらいまでしか出なかったんですけど。18日(DeNAとの練習試合)は155キロとか出ていて、その分で平均(球速)も上がっていますね」

 中田「フォームも安定しているね」

 西純「テイクバックをいじって、今年は足の使い方も変えています」

 中田「テイクバックはどこを変えた?」

 西純「小さくしてまとまりやすくしました」

 中田「テイクバックを小さくして、前を大きくして。その分、リリースポイントが合ってきたのかな?」

 西純「リリースポイントが合って、ボールに角度がついてきたのかなというのはあるかなと思います」

 中田「足の使い方はどの辺を変えた?」

 西純「今までだとワインドアップで立った時に止まっていたんですけど、せっかくワインドアップをしているので、その勢いを使って投げるっていうのをやっています」

 中田「立った時に止まっちゃうと動きも止まっちゃうしね」

 西純「動きも止まって、もう一回自分でエネルギーを作っていかないといけないんで。前よりももっと楽な力で前と一緒ぐらいのボールを投げられるようになりました」

 中田「高校時代は首を振って投げていたじゃない?」

 西純「めちゃくちゃ振ってました」

 中田「そこを抑えた部分はあるの?」

 西純「いや、あんまり気にはしていなかったんですけど。フォームのバランスが良くなったので首を振らなくなったのかなとは思っています」

 中田「見ていて多少はあるけど、以前のような感じはないね」

 西純「ガーンっていうのはなくなりました」

 中田「ムチ打ちになっちゃうんじゃないかって」

 西純「だいぶ張ってましたけどね(笑)」

 中田「ははは。(投球フォームの)芯である首がずれちゃうと、全部ずれちゃうっていう。その辺がうまくいっているのがポイントなのかな」

 西純「そうですね。コントロールの部分も大事なのかなと思います。自分の狙っているようには投げられているのかなと思います」

 中田「今年はローテを守れれば、だいぶんいい成績を残せるんじゃないかな?」

 西純「そうですかね。頑張りたいですね」

 中田「去年の投球を見ていて課題としたら五、六回かな。打者3回り目ぐらい」

 西純「80球から100球の間ですよね。そこが一番かなと思います」

 中田「クリアしたら一回り大きくなれそうだね。そこへの調整法はやっている?」

 西純「コンディションの部分でトレーニングもだいぶん変えましたし、ピッチングでも球種を増やして、より楽に(投げられるように)。横着するわけじゃないですけど、フォークに頼らないピッチングをしていきたいんで。他のバリエーションを増やしたりすることで幅が広がるのかなと思います」

 (トレーニング方法で変えたところは)

 西純「今までは重たいのを10回3セットやるっていうのをやっていましたが、コンディションとかも違いますし、体がだんだん重たくなっていくので、スピードを意識して5回5セットとかやり方を変えたりとか。種目もこれって決めるよりかは、今日はこっち、今日はこっちみたいな感じで組み合わせながらやっています」

 中田「甲子園のマウンドはどう?」

 西純「初登板の時はコロナの入場制限もあって満員ではなかったんですけど、去年のシーズン後半は満員の甲子園でまだ声は出せていませんでしたけど、満員の甲子園で投げるというのは、他の球場とは違う独特の雰囲気があるというのは感じましたね」

 中田「見ていて楽しそうに投げているね。楽しいの?」

 西純「そうですね。大舞台に強いタイプって自分では思っているので。そういう時こそ自分の力が発揮できるのかなと思っています」

 中田「少年野球の延長で楽しそうに投げている。すごいよね。俺なんか苦しかったもん」

 西純「本当ですか?(笑)」

 中田「うらやましいもんね(笑)。バッティングもすごいよね。神宮でのホームランもすごかったね。バッターがかわいそう(笑)」

 西純「いやいや(笑)」

 中田「バッター顔負けよ」

 西純「ありがとうございます」

 中田「打った瞬間、入ったと思った?」

 西純「はい。打った瞬間でしたね。高校の時は結構ホームランを打っていたので懐かしい感じでした」

 中田「やっぱり気持ちいいの」

 西純「最高ですね」

 中田「ホームランを打った後のマウンドは緊張したりしない?」

 西純「力みがちなんですけど、キャッチャーの(坂本)誠志郎さんに変化球を使いながらうまくリードしてもらいました」

 中田「休みはリフレッシュしてるの?」

 西純「前の休みの日は行けませんでしたけど、ゴルフとか行きます。去年11月の納会で初めてやって。めちゃくちゃ下手くそだったんですけど、みんなできるし、自分ができないことが悔しくて」

 中田「ごっつい飛ぶんじゃない?」

 西純「だいぶん。当たったら飛びます」

 中田「ちょうどいいよね、ぼけっとしているより体動かす方が」

 西純「(ボールを捜すために)走ったりもしますし(笑)」

 中田「インスタにゴルフを載せてるの?」

 西純「載せました。マエケンさんにいいのだけ載せてるやろって言われました(笑)」

 中田「俺もゴルフをやってて、ピッチャーだったんだけど、止まっているボールを打つって難しいじゃん。でも、主導権はこっちにあるじゃん。ピッチャーもそうじゃん。(ゴルフも)低いの打とうとか曲げようとかさ。だから、似ている部分はあると思うんだよね。だから、非常にいいと思うよ。ベストスコアは?」

 西純「まだ104です。初めてやった時が178だったので2カ月で74良くなりました。目標は3桁を切ることですね」

 ※この対談は24日のサンテレビ「熱血タイガース党」で放送予定です。

 ◆西 純矢(にし・じゅんや)2001年9月13日生まれ、21歳。広島県出身。184センチ、98キロ。右投げ右打ち。投手。創志学園から19年度ドラフト1位で阪神入団。プロ2年目の21年5月19日・ヤクルト戦(甲子園)で初登板初先発初勝利。昨季は14試合に登板し6勝3敗、防御率2・68。NPB通算16試合登板、7勝4敗、防御率2・74。

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