阪神・佐藤輝 出た!岡田監督 絶賛弾 ダメ出し続きの秋から一変 新フォームに手応え

 シート打撃で西純(左)から本塁打を放つ佐藤輝(撮影・立川洋一郎)
 シート打撃で本塁打を放ち、ダイヤモンドを回る佐藤輝。右は一塁手・大山(撮影・立川洋一郎)
 三塁の守備で軽快な動きを見せた佐藤輝(撮影・中田匡峻)
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 「阪神春季キャンプ」(9日、宜野座)

 指揮官もニンマリの一撃や!!阪神・佐藤輝明内野手(23)が9日、シート打撃で“今季第1号”をバックスクリーンにたたき込んだ。宜野座キャンプから本格的に取り組む新フォームに手応えを示しており「いい感じで来ているのかな」と笑顔。昨秋キャンプから強烈な“ダメ出し”をしてきた岡田彰布監督(65)もうなずいた。

 3年目の飛躍を狙う佐藤輝が、南国の空に向かって美しい放物線を描いた。打った瞬間、虎党のどよめきが収まらない。読みではなく、反応で捉えた一撃。宜野座で打ち上げた号砲から、進化の予感が存分に漂っていた。

 開幕ローテ候補の西純の変化球を射抜いた。カウント1-1から右腕が投じた144キロフォークがやや甘く入り、これを逃さず強振。滞空時間の長いアーチはそのままバックスクリーンへと吸い込まれ、本人も安ど感をにじませていた。

 「真っすぐを打ちにいきましたが、うまいこと拾えたのかなと思います。入ったので良かったです」

 グリップ位置を下げ、バットを肩に置いてから始動する新フォームに挑戦している。イメージと感覚をすり合わせている段階だが「いい感じでは来ているのかなと思います。体の近くからしっかりバットを出すというのは意識しています」と手応えを深めている。岡田監督も納得顔だ。

 「ああいう打ち方もできるんやっていうのは、そら自信になっていると思うよ。あのボールを対応できるんやから。まあ、150キロ以上のストレートがある投手の低めのフォークを、シーズンで打ちたいやろな~(笑)」

 実際、昨秋のキャンプでは「打球の強さとか見ても、今(指導)する段階じゃない」と厳しい言葉を投げかけた。そこから約2カ月が経過し、実戦形式のシート打撃で進化を発揮。佐藤輝も岡田監督含め首脳陣の指導が今の打撃につながっていると明かし、「監督、コーチと話しながらやっていますね」と充実感を漂わせていた。

 この日から球団OBの鳥谷氏が臨時コーチで合流。11日まで滞在するが「やっぱり守りですね、守備を教わりたいですね。鳥谷さんはうまいし、華やか。(準備の大切さなど)聞けるように頑張ります」と教わる機会を心待ちにしている。打力向上へ手応えをつかみつつある中、守備でもレベルアップを目指す。宜野座での充実の日々を生かし、一回りも二回りも大きく成長する。

 ◆岡田監督の佐藤輝評VTR

 ▽22年11月12日 佐藤輝が秋季キャンプ合流。打撃の状態について岡田監督が「どっちかっていうと悪なってるよな。飛距離とか」とダメ出し。指導する段階にも至っていない見解を示す。

 ▽同13日 佐藤輝が打撃フォーム修正に着手。グリップ位置を下げ、スタンスの幅を広げる。

 ▽同15日 岡田監督が佐藤輝に初めて直接指導。高いグリップ位置からのスイングに「猫パンチになるやん」と独特な表現で指摘。

 ▽同20日 佐藤輝が全体練習後に志願の個別練習で75分間特守。「変わらんとあかんからのぉ」と岡田監督。

 ▽23年2月1日 春季キャンプ初日のフリー打撃は68スイングで柵越え0発。岡田監督は「あのポイントでは打てない」とミートポイントの近さを指摘。

 ▽同2日 ミートポイントを前にして81スイング中14発。岡田監督は「ようやくなぁ、姿らしきもんを見たな、今日は。全然違うよ」と一安心。

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