阪神・佐藤輝は来季、確実性+長打力を得られるか データで見る2022年

 左が2022年、右が2021年の佐藤輝のチャート表ⓒ共同通信デジタル
 上が2022年、下が2021年の佐藤輝のスイング率 ボールゾーンスイング率は改善ⓒ共同通信デジタル
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 プロ2年目を終えた佐藤輝は、ルーキーイヤーと比較してもほとんどの部門で数字を伸ばした。チームで唯一全143試合に出場し、打率は・238から・264へ上昇。打席数も大幅に増えたが、それに比例して安打数も101本→143本と増加した。

 打点、盗塁、得点なども軒並みアップした中で三振数は173から137へ減少。四球数も25個から倍増以上となる51個を選んだ。つまり1年目のオフに課題とされていた「確実性のアップ」というテーマに関してはクリアしていたことになる。

 ルーキーイヤーは「何でもかんでも振る」「どのボールにも手を出す」という印象が強かったが、共同通信デジタルによるとボールゾーンスイング率が42%から34%へと減少。つまりゾーン外のボール球に対して極力我慢しながら、勝負していたというのが見て取れる。本人が「気持ちの中であんまり三振したくないみたいな」と明かしたように、確実性を追い求めたシーズンだった。

 その反面、本塁打数は打席数が増えているにもかかわらず24本から20本に減少。二塁打数、三塁打数が増えている中でフェンスオーバーの打球は減った。この点についてCSファーストSのテレビ解説で指摘したのが、佐藤輝の前に背番号8を付けていた福留孝介氏だ。

 今年の印象を「スイングが小さくなっている」と指摘し「コンタクトしていくことも大切。でも自分の一番いい場所、つまり長所を消してしまうと、コンタクトしていくことに何の意味があるの、という風になってしまう。長所を消さずに、が僕はいいと思う」と語っていた。三振したくないあまり、天賦の才とも言えるボールを遠くへ飛ばす能力が失われる-。類いまれな能力を持つ佐藤輝だからこそ、愛のある助言だったように思う。

 本人も特長のフルスイングを失わないために「もっと体を大きく使って、全身を使いたいなと思います」と、最大限のパフォーマンスが発揮できる打法を目指す考えを秋季練習で口にしていた。

 果たして3年目はどういう成長曲線を描くか-。現状の確実性に長打力が上乗せされれば、クリーンアップを打つ打者として申し分ない成績になる。契約更改で「あと一伸び、フェンス直撃みたいな打球がすごく多い気がして」と悔しがり、「あと何メートルか飛ばして、ホームランというのが理想。30本はまだいけていないのでいきたいです」と力を込めた背番号8。確実性プラス長打力という相反しがちなテーマに挑んでいく。

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