阪神次期オーナーに杉山氏浮上 実現なら初の阪急出身、計30億円支払い義務論争再燃も

 阪神の次期オーナーに、阪急阪神ホールディングス(HD)社長の杉山健博氏(64)が就任する案が浮上していることが10日、明らかになった。実現すれば阪急電鉄出身者が初めて、阪神のオーナー職に就くことになる。

 通称・村上ファンドによる買収騒動によって、阪神電鉄が阪急と阪神HDの子会社となったのが2006年。孫会社に当たる阪神タイガースに対して強まる阪急サイドの影響力が、オーナー職に及ぶ可能性が高まった。

 現在10代目の藤原オーナーに代わり、新オーナー候補に挙がっている兵庫県出身の杉山氏は、82年に東大法学部を卒業し、阪急電鉄へ入社。05年に取締役、06年発足の阪急阪神HD取締役に就き、16年にはHD副社長、17年には現職のHD社長となった。

 これまで阪神の球団オーナーは、基本的に阪神電鉄の社長、あるいは会長が務めてきた。阪急出身者が就任すれば球団史上初めてとなる。杉山氏は今年4月に兼務していた阪急電鉄の社長を嶋田新社長に譲り、HD社長に専念したのも、今回の人事への布石だったのかもしれない。

 阪急阪神HDが誕生した際に、球団経営は阪神サイドが行うことで合意した。だが、すでに18年からは新入社員も一括採用となり、役員の交流も含めて表向きはHD内に阪急、阪神の垣根はなくなってきている。

 杉山氏も06年から今年4月まで、阪神電鉄の取締役も務めている。一方で今回の阪急出身者のオーナー就任は親会社変更時に支払う、計30億円の支払い義務について再び議論が起こる可能性もある。

 この日、阪急阪神HD代表取締役会長兼グループCEOの角和夫氏(73)は「まだ正式に決まったことではないので、現段階で私がコメントできることはありません」と話すにとどめた。

 角会長と同じ早大出身の岡田監督が、新たに指揮を執る来季、虎は新オーナーのもとで戦うのか。近日中に開かれる、阪神の取締役会などの動向が注目される。

 ◇杉山 健博(すぎやま・たけひろ)1958年11月20日生まれ、64歳。兵庫県出身、東京大学法学部卒。82年に阪急電鉄に入社、常務などを経て、2017年4月に同社社長。06年の阪急阪神HD誕生時には阪急側で経営統合を担当。同HDでは16年に副社長、17年に社長に就任している。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス