【岡田の野球 道一筋1】“接戦での弱さ”克服し生まれ変われるか

 阪神の岡田彰布新監督(64)が16日、大阪市内のホテルで就任会見に臨んだ。いよいよ発足した第2次岡田政権。4年間の矢野野球が終わり、これから始まる「岡田の野球」とは?デイリースポーツの阪神担当キャップが、その神髄に迫る。

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 今季のデータをひもとくと、矢野阪神のストロングポイント、ウイークポイントが浮き彫りになる。投手陣に目を向ければ、全体ではリーグ唯一の2点台となる防御率2・67、救援防御率も断トツの2・38という数字を残した。一方の打撃は打率・243がリーグ4位、総得点489は同5位。やはり投高打低のチームであったことが数字に表れている。

 就任会見で『守りの野球』を改めて掲げた岡田監督だが、「得点という意味では、ちょっと消化不良という形。今年以上に点を取らないといけないっていうのはある」と攻撃面への不満を漏らした。

 当欄で注目したいのが今季の得失点差だ。阪神はリーグトップとなる『+61』という数字を残した。これは王者ヤクルトの『+53』をも上回る数字である。これだけ得失点差がプラスのチームが負け越しで終わることは異例のことだ。

 要因として挙げられるのが“大勝の多さ”と“接戦での弱さ”。今季5点差以上勝ちが21試合もある。一方で1点差ゲームは20勝25敗、延長戦成績は2勝10敗4分けと、多くの接戦を落とした。

 これは多くのファンが不満に感じたであろう、接戦で1点を奪いに行く采配ができなかったということにもリンクする。矢野阪神は、チームの勢いがある連勝時は積極的に動くことが多かったが、不調時には、なぜかベンチの采配が硬直し、受け身になってしまうケースが多かった。

 岡田新監督は会見で「年が変われば全然打てると思いますよ」と打撃面の強化に自信をのぞかせた。さらに期待されるのが、いかに場面、場面で『最善を尽くす』かにこだわる緻密な野球だ。効率的に点を取ることに苦心し、取れるところで確実に点を取りに行く采配で接戦をものにすることができれば…。自慢の投手力を生かした『貯金を作れる』チームに生まれ変われるのではないか。(和田 剛)

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