阪神がCSを勝ち抜く条件とは?高代氏「バットではなく足で相手を崩せ」

 9回、島田はセーフティーバントを決め出塁する(撮影・山口登)
 6回、一走・中野は盗塁を決める(撮影・山口登)
2枚

 「阪神3-3ヤクルト」(2日、甲子園球場)

 阪神のレギュラーシーズンが終了。3位からのCS突破を目指し、8日から第1ステージのDeNA戦(横浜スタジアム)に臨む。“投高打低”の阪神がCSを勝ち抜く条件は…デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「機動力」がカギを握ると予想した。

  ◇  ◇

 阪神の最大の強みは安定した投手力にある。先発から中継ぎ、抑えに至るまで、質量とも豊富だ。ただ結果的にはこれほどの圧倒的な“戦力”を生かし切れず、借金を抱えての3位に終わった。

 その原因が得点力の乏しさにあるのは明白だが、短期間で打力を上げるのは難しい。ならばできることをやるしかない。できることと言えば自慢の足を使うことだろう。

 チームには近本や中野、島田という走れる選手がいる。20盗塁以上できる選手が3人もいるのだから、もっと機動力を使えるはずだ。

 今シーズンの戦い方を見ていると、接戦になればなるほどベンチは動かなかった。

 走れる選手にはグリーンライト、つまり自らの判断で走るよう指示を出していると思うが、試合を左右するような大事な局面になると勇気がいるものだ。そこはベンチワークで動かすしかない。

 また、足を使うというのは盗塁に限ったことではない。ヒットエンドランやバントヒットもある。

 さらに言うなら、「走るぞ」と見せかけるフェイクでもいい。盗塁かなと思わせるだけでも効果はある。

 二盗ならセカンド、ショートはベースカバーに早めに入りがちになるが、そこへエンドランでこられると一、二塁間や三遊間を抜かれやすい。それだけでプレッシャーになる。

 古い話で恐縮だが、阪急時代の“福本・簑田”の1・2番コンビには、これをよくやられたものですよ。福本さんの例は極端だが、足は使い方次第で本当に脅威になる。この武器をフル活用しないともったいない。

 この日の反省点は十二回裏の攻撃。二死一塁から島田が初球に詰まって一ゴロに倒れたが、あそこは走者が走力のある植田だっただけに“盗塁”を頭に入れておくべきだった。

 外野の間を抜けばサヨナラの場面だったから“甘い球”なら積極的に打っていいと思うが、内角の難しい球。狙い球の設定が甘かったね。九回のバントヒットは評価できるが“1点取れば勝ち”という場面で使うチームメートの足も意識してほしい。

 まずは8日からのCS第1ステージ。その相手となるDeNAには今シーズン、阪神がやりたい野球を逆にやられていたという印象がある。

 特に後半は少ない得点をDeNA投手陣に守り抜かれ、最後は山崎に抑えられるパターン。かつては乱打戦になることが多かった横浜での試合も抑え込まれて勝てなくなった。

 DeNA投手陣が整備されてきたのは確かで、だからこそ先取点が大事になる。バットで相手を崩すのではなく足で崩していく意識。ワンヒットで得点を奪う仕掛けを序盤から見せていくことだ。

 第2ステージへ進んでも当然、同じことが言える。

 阪神の最大の強みである投手力を生かすには、もうひとつの強みである機動力を駆使して先行逃げ切りの形を作るのがベスト。“足”は“バット”と違い、意識すればできることだからね。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス