阪神・高寺 初Hがタイムリー 記念球は「家族に」 プロ2度目昇格即先発で結果

 4回、プロ初安打となる適時二塁打を放つ高寺(撮影・立川洋一郎)
 両手を上げて喜ぶ高寺
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 「広島3-7阪神」(23日、マツダスタジアム)

 心地いい感触が阪神・高寺望夢内野手(19)の手のひらを伝った。三塁側から響き渡る歓声に包まれ、ダイヤモンドを駆ける。悠々と二塁に到達すると、無邪気な笑顔で高々と右手を突き上げた。

 「まず一本打てて、ほっとしています」。3点リードの四回1死一塁。追い込まれながら、遠藤のチェンジアップを鋭く振り抜いた。右翼線をライナーで破る適時二塁打。20年10月16日・ヤクルト戦で井上が記録して以来となる、球団高卒野手のプロ初安打&初適時打となった。

 今季は6月8日にプロ初昇格を果たすも、4試合に出場して8打数無安打。同12日に抹消された。「とにかく1軍で結果を」としきりに口にしていた背番号67。悔しさを胸にファームで汗を流し、待望の瞬間を迎えた。

 チーム内では「天才」と称される。2つ上の先輩・小幡は「本当に天才だと思います。(打撃の)波がないので、打てていなくても打てない感じに見えない」と能力の高さに感嘆する。

 ただ、センスだけでは通用しないのがプロの世界。高寺はひたすら努力を積み重ねた。右手の薬指、小指の付け根には真っ黒くなったまめがある。「(まめが)できる場所はずっと一緒」。小さい頃から自分の感覚を信じ、握り方を変えずにバットを振り続けてきた。

 もう痛みは感じないほどまめは固くなった。「いくら振り込んでも(まめは)できないです」。努力の証しが刻まれたその手で、念願のHランプをともした。

 「しっかりやってきたことが、今日のあの打席で出せたと思います」。初めてのヒーローインタビュー。記念球は「家族に渡したいです」と話し、「2年目の高寺です。チームの勝利に貢献できるように頑張ります」と虎党に宣言した。

 プロ2年目の19歳。未来の虎のヒットメーカーが、第一歩を踏み出した。

 ◆高寺望夢(たかてら・のぞむ)2002年10月17日生まれ、19歳。長野県出身。178センチ、75キロ。右投げ左打ち。内野手。上田西から20年度ドラフト7位で阪神入団。今季推定年俸480万円。

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