阪神・藤浪2328日ぶりG倒白星で今季初星 甲子園V腕が躍動「いい一日」

5回、声を上げて力投する藤浪(撮影・西岡正)
今季初勝利を挙げ、梅野(右)からウイニングボールを受け取る藤浪
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 「巨人1-5阪神」(20日、東京ドーム)

 チームも虎党もこの瞬間を待っていた。開幕投手の阪神・藤浪晋太郎投手(28)が7回6安打1失点、無四球の好投で今季初勝利を挙げた。巨人戦での勝利は16年4月5日以来2328日ぶり。チームも3連勝を飾り、2年連続での巨人戦勝ち越しが決定。右腕の復活星が大逆襲を目指す虎の勢いを加速させる。

 藤浪がヒーローインタビューに登場すると、東京ドームがドッと沸いた。誰もが待ち望んだ瞬間だ。114試合目での今季初勝利。ようやく心の底から笑うことができた。

 「やっぱりいいですね。先発で勝つのが自分の中で一番いいし、心地いいというか、その瞬間が本当に久々だったので、いい一日、いい試合だった」

 藤浪が右拳を握ったのは、リードを5点に広げた直後の四回だ。先頭・丸に右翼線二塁打を浴び、ギアチェンジ。大阪桐蔭の先輩・中田を149キロスプリットで空振り三振に斬ると、岡本和は遊ゴロ、続くウィーラーのバットも空を斬らせ勝利をグッと引き寄せた。

 巨人戦白星は16年4月5日以来2328日ぶり。「調子自体はそこまで良くなかった」と言うものの、粘りの投球で7回を6安打1失点。最速156キロをマークした直球を右打者のアウトローにズバッと決め、カットボール、スプリットで5奪三振。何より2試合連続の無四死球が光る。矢野監督も「素晴らしい投球でした」と脱帽の108球だった。

 「来年は沖縄キャンプに行けるか分からない。安芸でもおかしくない」。わずか3勝に終わった昨オフ、藤浪は背水の覚悟をのぞかせた。先発陣の顔ぶれはリーグ屈指。中継ぎ転向を勧める声も耳に届いた。それでもポリシーを貫いた。「先発で1番になるぐらいの気持ちでやらないといけない」とキッパリ。入団時に球団から託された「打倒巨人、エースを超えろ!」のメッセージを忘れるはずがない。

 今季は2年連続開幕投手を務めながら、新型コロナウイルス感染、交流戦での中継ぎ登板を経て、先発再調整後も2軍暮らしが長く続いた。ただ、いばらの道であることは覚悟の上だ。「気持ちを切らしたら終わり。自分でコントロールできることではないのでどうこう言っても…」。現状を嘆くのではなく、炎天下、自身の技術向上だけに集中してきたからこそ、はい上がることができた。

 「継続することが大事。今日1日だけ余韻に浸って、明日から切り替えて来週の試合に備えられたらいい」

 チームは8連敗の後、3連勝。2年連続巨人勝ち越しも決まり、再び上昇気流だ。自信、躍動感を取り戻した藤浪の1勝が、さらに虎を勢いづける。

 ◆2328日ぶりの巨人戦勝利 藤浪の巨人戦勝利は2016年4月5日以来、2328日ぶり。16年4月26日から前回22年4月1日まで、リリーフを含め13試合で7敗していた。また、勝ち星はリリーフした21年6月13日・楽天戦以来、433日ぶり。先発勝利は同年4月16日・ヤクルト戦以来、491日ぶり。

 ◆歴代開幕投手最遅の初勝利 自身2度目の開幕投手を務めた藤浪はチーム114試合目で今季初勝利。球団歴代の開幕投手で最も遅いシーズン初星となった。これまでは2001年の星野伸之で8月12日・中日戦での99試合目。また、今季12球団の開幕投手でも最も遅い初白星。

 ◆猛虎初のG戦6カード連続勝ち越し 球団史上初となる巨人戦6カード連続勝ち越し。2009年の5カードを更新した。さらに2年連続で巨人戦カード勝ち越し。2リーグ分立後、複数年連続は84~85年、03~05年に続き3度目。今季は4月29日~5月1日の東京ドーム3連戦で3連勝。きょう21日も勝利し、シーズン2度のビジターでの巨人戦3連戦3連勝となれば07年以来、2度目。

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