佐藤義則氏 阪神の敗戦に「中押し、ダメ押しができない最近の課題が出た阪神打線」

 「広島5-3阪神」(20日、マツダスタジアム)

 阪神は3-1の七回に4点を奪われて逆転負け。継投策が裏目に出て、3番手・浜地が負け投手となったが、デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(67)は序盤にいい形で3得点しながら中押し、ダメ押しができなかった打線に敗因を求めた。また、七回の守備の乱れについても語った。

   ◇  ◇

 初回に2点を先制し、二回にも1点を加えた阪神打線。いずれも2死無走者からの得点で素晴らしい攻撃だった。しかし、ここからが問題だ。中押し、ダメ押しができないという最近の課題がこの試合も出た。

 攻撃が淡泊になったり、雑になっているかというと決してそうは感じないが、相手投手との兼ね合いもあって、なかなか歯車がかみ合わない状態が続いている。この日も二回までに5安打したんだから、その流れでいければもう少し点は取れそうなものだけど、うまくはいかないね。

 中押しができて、もう少し点差を開いておけば、七回の広島打線も打ちにいくしかなくなる。投手の立場から言えば打者に集中できるので投げやすい。しかし、この日のように僅差の展開だと、相手も走者が出ればバントだったり、盗塁だったり、エンドランだったり、策を弄(ろう)して1点を取りにくる。何をやってくるか分からない時ほど投手にとって嫌なものはない。

 七回は守備の乱れも足を引っ張った。佐藤輝は1死一、二塁から小園の右前打にバックホームを焦って打球を後逸した。肩の強さは相手も分かっているはずだから、あの打球で二走・坂倉が本塁に突入することはなかったと思うし、実際に三塁で止まろうしていた。もう少し落ち着いて処理できなかったか。

 続く磯村の中飛を守備のうまい近本が落球したのも、ちょっと考えられないミスだ。さらに1死満塁での代打・羽月の二ゴロも二塁・小幡からトスを受けた遊撃・中野の一塁転送が本塁方向へそれた。きっちりと投げておけば、間一髪で併殺が取れていたんじゃないかなと感じた。

 こういう戦いをしているようではなかなか波に乗れない。借金返済まであとわずかまで来ているのに。勝機は十分にあっただけに、もったいない試合になってしまった。

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