阪神 ウル虎悔しい完封負け 矢野監督「打線でしょ」A・ロッド入団も競争強調

 「阪神0-4巨人」(12日、甲子園球場)

 3連勝で巨人を追い越せたのに…。阪神は2・5差で迎えた宿敵との一戦で今季17度目の完封負けを喫した。巨人を上回る先発野手全員の8安打を放ったが、5度の得点機で快音を封じられた。9連戦初戦を落とした矢野燿大監督(53)はこの日の2軍戦で2本塁打を放ったマルテの昇格を明言。一方、入団会見に臨んだ新助っ人、アデルリン・ロドリゲス内野手(30)に関しては“競争”と位置付けた。

 結局、点は入らなかった。疲れが見え始めた戸郷から八、九回と先頭が安打で出塁。ともに一、二塁の得点機を作ったが、走者が本塁を踏むことはなかった。巨人相手には初めてながら、今季早くも17度目の零封負け。甲子園では7日の広島戦に続く2戦続けての無得点敗戦だ。

 この日は3万8753人が詰め掛け、多くの虎党が配布された「ウル虎の夏」ジャージーを着て応援した。「せっかくね、たくさん入ってもらったのに…」と矢野監督も伝統の一戦での完敗に無念の表情だ。

 戸郷に対しては8回無得点に終わった5月20日の甲子園での対戦に続き、計17イニング無得点の屈辱となった。「完封されるような調子じゃないと思うけどね。こっちが打ち損じてるというか、打ってないというだけで」。先発野手全員がそれぞれ1安打の計8安打を放つも、決定打が出なかった打線に思わずため息が漏れる。

 巨人と2・5ゲーム差で迎えた今カードは、3連勝すれば宿敵を抜き去ってのAクラス進出もあった。「(敗因は)打線でしょ」と吐き捨てた指揮官は、カンフル剤としてこの日のウエスタン・広島戦で5打数4安打、2本塁打と爆発したマルテの昇格を明言した。

 5月27日から、右足コンディション不良で2軍調整が続いていたM砲が久々に戻ってくる一方で、同じ一塁を守らせる方針の新外国人・ロドリゲスもチームに合流した。「枠を空けて待ってるわけじゃないんで。ロドリゲス自身がチャンスをつかむことが、まずやってもらうこと」。矢野監督はファームで結果を出し、競争の土俵に上がってくることを期待する。

 マルテ、ロドリゲスの長距離砲がアピール合戦を展開することで、佐藤輝、大山が主軸を形成する打線の活性化が図れないか。はるか前方を走るヤクルトを追走するためには、もう、もたもたはしていられない。大逆襲へと勢いをつける、きっかけが欲しい。

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