阪神・近本 31戦ぶりノーヒット 球団新ならずも「明日から新しい自分に挑戦できる」
「阪神0-3広島」(7日、甲子園球場)
七夕の夜に虎党の願いはかなわなかった。阪神・近本光司外野手(27)が4打数無安打に終わり、連続試合安打は「30」でストップ。11年にマートンが作った球団記録に並んでいたが、新記録樹立は逃した。打線も沈黙。今季16度目の零封負けで連勝は「3」でストップした。心機一転、8日からは神宮で首位・ヤクルトに挑む。
記録が途絶えた後も近本は、いつもの近本だった。3点を追う九回1死、無安打で迎えた第4打席。七夕の夜に、虎党の誰もが連続試合安打を球団単独トップの31試合に伸ばす一打を願い、見守った。
甲子園が異様な雰囲気に包まれる中、2球目の直球をファウルにすると、広島守護神・栗林との対戦を楽しむかのように打席で笑みを浮かべる。
最後はカーブを引っ掛けて二ゴロ。5月28日のロッテ戦から続いた連続安打記録が途絶え、ため息が一斉に漏れる中、背番号5はいつも通り淡々とボールがバットに当たった箇所を確認しながらベンチへと戻っていった。
「悔しい気持ちもあったんですけど。4打席目は特に球場の雰囲気とか、自分に対するプレッシャーとか、すごく楽しくて。“あーこんな中で野球やれているんだな”と。(捕手の)磯村さんとも、そんな話をしながら」
試合後に落ち着いた様子で明かした近本。「僕の中では(記録が)早く終われと思ってました(笑)。やりたいことができず、バッティング技術の成長がなかなかできなかったんで。明日から新しい自分に挑戦できる。楽しみです」と“らしい”コメントで締めた。
快勝した前夜の広島戦今季初勝利の勢いをつなぐことはできず、チームの連勝は3でストップ。6月9日のソフトバンク戦以来、久々となる今季16度目の零封負けとなった。
8日からは、この日も巨人相手に圧勝し、連覇へのマジックを50としたヤクルトとの神宮3連戦を迎える。「突っ走っているチームで状態もいいので。こっちも、もっともっと自分たちの野球をしっかりやっていかないとダメな相手。まずは初戦をしっかり、ヤギ(青柳)で取りたいなと思います」と矢野監督はうなずく。
記録が途絶えた近本は「自分の中ではすごく成長できたというのはある。これからもヒット1本を積み重ねていきたい」と言った。チームも同じ。前を向いて、次の一戦へと向かって行く。