阪神・熊谷 サヨナラ打!痛快プロ初の大仕事「いい意味で期待裏切ったかな」

 延長11回、サヨナラ勝利を決めた熊谷はガッツポーズ(撮影・坂部計介)
 サヨナラ勝ちに喜びを爆発させる阪神ナイン(撮影・飯室逸平)
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 「阪神6-5中日」(26日、甲子園球場)

 4時間16分の激闘に終止符を打った痛快な暑気払いだ。阪神・熊谷敬宥内野手(26)が延長十一回2死二、三塁から、中越えにプロ入り初となるサヨナラ打。今季2度目のサヨナラ勝ちで3連勝を飾った。チームは今季初の5試合連続2桁安打と上昇気配。トラはもっと熱くなる!

 「TORACO DAY」にふさわしい、チームきっての男前が甲子園を沸かせた。一塁を回った熊谷が両手を挙げながら、ベンチから飛び出す仲間を迎える。次から次へと祝福のウオーターシャワーを浴びせられると、端正なマスクをくしゃくしゃにして喜びを爆発させた。

 “走りのスペシャリスト”が打撃で魅せた。八回に糸原の代走として登場。5-5の同点で迎えた延長十一回に、これでもかという見せ場で打席に立つ。目の前で大山が申告敬遠され、2死二、三塁と絶好のサヨナラ機。もう野手はベンチに長坂しか残っていない。

 「本当に無我夢中だったんで、何が起こったか覚えてないんです」。山本が投じた高めへの直球にバットを出すと、打球はぐんぐんと伸びて中堅・加藤翔の頭上を越えた。プロ入り初のサヨナラ打。4万2000人を超える観衆を抱えた聖地のスタンドが揺れた。

 ここぞの場面で“秘打”がさく裂だ。子供の頃から読みあさったのが、日本を代表する野球漫画『ドカベン』。「僕も体が大きくないですし、内野手で、走れて秘打も打てる。憧れでしたね」。同じ背番号4も背負い、「白鳥の湖」などのトリッキーな“秘打”を繰り出す、二塁の名手・殿馬に魅せられた。

 「殿馬みたいな選手になれたらいいですけど…。打つことが課題なので、まずはしっかりと打てるように頑張りたい」。昨オフには殿馬をほうふつとさせる広島・菊池涼に弟子入りする形で、合同自主トレに参加。打撃では師匠そっくりのフォームに変えた。

 それでも、今季の打率は1割台前半。お立ち台では「多分ここにいる人たちは、まさか僕が打つとは思っていなかったと思うので…いい意味で期待を裏切ったかな」と笑わせた。11日のオリックス戦では代走として“神走塁”を見せて、初のお立ち台に上ったばかり。今度は課題の打撃でヒーローになった。

 「なかなか打席に立つ数は少ないですけど、その中でもアピールしていかないとレギュラーにはたどり着けない。本当に今日の一本はよかった」。チームは3連勝で、最多16もあった借金は4まで減った。大山、佐藤輝らの主力だけではない。伏兵・熊谷の躍動が、今の矢野阪神の勢いを際立たせた。

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