岡田彰布氏 伊藤将の94球完投に「うまく術中にはめた」チームはどんぐりの背比べから抜け出せ

 「阪神4-1DeNA」(18日、甲子園球場)

 阪神、オリックスで監督を歴任した本紙評論家・岡田彰布氏が18日、阪神-DeNA戦を解説した。阪神は先発の伊藤将司投手が9回3安打1失点で完投。チームを5連勝&3位に浮上に導く好投を称賛した。また阪神は現在Aクラスを争っている広島、DeNA、中日よりも「戦力は上」とし、一歩抜け出す戦いを期待した。

   ◇  ◇   

 伊藤将はDeNAの早打ちにも助けられた面もあったとはいえ、わずか94球での完投は素晴らしい。状態はそこまで良くなかったとは思うが、持ち味の制球力を生かした投球だった。

 初回からDeNA打線はファーストストライクからスイングしてきており、大田の先制ソロも初球を打たれたものだった。

 だが、伊藤将は二回以降、ほとんど真ん中を含めたあまいコースへいくボールはなかった。ほとんどの球をコースや低目に制球し、相手の打ち気をうまく利用して打ち取っていった。

 DeNAの先発野手は佐野以外7人が右打者だったが、伊藤将はチェンジアップが良く、右打者が並ぶ打線の方が投げやすいのかもしれない。今日もチェンジアップが効いていた。

 DeNAベンチは右打者に「チェンジアップを引っかけるな」という指示を出していたと思う。だが、伊藤将は直球やツーシームをうまく交えており、DeNAの右打者はチェンジアップを引っかけないように打つとライトフライ、普通に打つと引っかけたゴロとなっていた。うまく術中にはめた投球だった。

 また、伊藤将は初回に先制を許したが、打線が直後の初回の攻撃で佐藤輝の2点二塁打で逆転してくれた。「すぐ逆転してくれた」ということを意気に感じたと思う。二回は三者凡退。三回に大山の2ランで追加点を奪った直後の四回もクリーンアップを三者凡退に仕留めた。

 17日のDeNA戦も初回に青柳が失点した後、すぐに打線が4点を奪って逆転した。チームとしては投打がかみ合った戦いで、いい傾向が続いている。

 阪神は今後、今カードを含めた6カードで広島、DeNA、中日と対戦する。阪神は戦力を見れば、この3チームよりも上だ。今後、Aクラス争いが「どんぐりの背比べ」になるともつれる可能性がある。まずは直接対決でこの3チームをたたいて、「諦めさせる」ことを目指してもらいたい。

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