阪神・佐藤輝 由伸撃った!適時三塁打&激走同点ホームで反撃のろし お目覚め19打席ぶり安打

 8回、山本(手前)から右翼線に適時三塁打を放つ佐藤輝(撮影・山口登)
 8回、打者・大山(奥)の時に、パスボールで同点の本塁を踏む三走・佐藤輝
 4回、バットを折り、二ゴロに倒れる
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 「オリックス2-3阪神」(11日、京セラドーム大阪)

 やられっぱなしでは、4番のプライドが許さない。同い年のエース・山本由伸とこの日4度目の直接対決。「絶対に勝ちたい」と熱き闘志をバットに込め、変化球を仕留めにかかる。激走で三塁ベースへ到達した阪神・佐藤輝は少しだけ表情を緩めた。

 「もうとにかく、何がなんでも食らいついてやろうという気持ちでした!!」

 ようやくトンネルを抜けた。2点を追う八回2死一塁。カウント2-2から内寄りに入ってきたスライダーを逃さない。痛烈に引っぱたいた一撃は右前に弾み、右翼・佐野皓が後逸。「なんとか安打を出したいというのはあったので、落ちてくれて良かった」。適時三塁打で試合の雰囲気が変わると、快足でも沸かせる。

 大山の打席での3球目に、伏見が捕逸。「絶対追いつきたかった」と全速力で本塁にめがけて一直線。同点のホームを踏むと、ドーム内は地響きのような大歓声が止まらない。

 19打席ぶりの安打で、打点は5日・日本ハム戦、長打に限ると5月29日・ロッテ戦でゲレーロから12号2ランを放って以来だ。延長十一回の5打席目も、本田の155キロ直球を左前へ運んだ。自身の代走・熊谷の神走塁のきっかけを作った一打で、5月20日・巨人戦以来のマルチ安打だ。

 試合前は超人軍団の吉田正と打撃談義を交わし、復調のヒントを探った。「打撃の話をしました。ここのところ打ててなかったのでアドバイスを。内容はちょっと秘密です」とニヤリ。発言、表情に余裕も戻ってきた。

 四回は珍シーンも。二ゴロに倒れた際、真っ二つに折れたバットが一塁内野席にスタンドイン。佐藤輝も心配そうに見つめたが、幸い直撃した男性は無事だった。

 復調の兆しは見せた。交流戦は残り1試合。こん身のスイングでスタンドに突き刺し、完全復活を証明する。

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