阪神・矢野監督 チグハグ采配 左に弱いロメロに右打者並べ 右に弱い東條に左の代打連発

 7回、新井コーチ(右)と話をする矢野監督(撮影・田中太一)
 7回、二ゴロに倒れた代打の高山(投手・東條)
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 「ロッテ3-2阪神」(29日、ZOZOマリンスタジアム)

 阪神・矢野燿大監督が試合後に、表情をゆがめながら振り返る。

 「あそこを0で行ってしまったのが…。一気に崩せるかもしれない状況だったんで悔しいね」

 その言葉通り、終わってみれば、初回の攻撃が全てだった。近本、中野が連打、大山が四球を選び無死満塁。いきなり絶好の先制機が巡ってきた。

 しかし、佐藤輝は三振。5番で今季初スタメンに抜てきされた原口は初球、続く糸原は2球目を簡単に打ち上げる。立ち上がりの制球に苦しむロメロを早打ちで助ける形となり、まさかの無得点で勢いに乗せてしまった。

 この日は原口だけでなく、7番からの下位打線にも右打者を並べた。ロメロは試合前時点で今季被打率が右打者・212、左打者・277。データ通り、安打は全て近本、中野、糸原と左打者が放ったものだった。

 「ロメロは右の方が打ってるとかそんなことないし、今日も実際左が打ってる。それは関係ないんだよ」と指揮官は左腕対策として右打者を並べたことを否定。「コンディションとかもいろいろあるし、チームを動かしていく上で使わなあかん時期もある」と説明したが、七回も同じ傾向のある右腕・東條に対して、代打攻勢で左打者3人を送って無得点に終わった。

 日曜の連勝は5で、デーゲームの連勝は6でストップし、5月の勝敗は11勝12敗となった。31日からは甲子園に西武、そして新庄ビッグボス率いる日本ハムを迎え撃つ6連戦。まずは12個ある借金を、せめて1桁に減らすことから始めたい。

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