【中田良弘氏の眼】阪神は今後も必要なものが見えた敗戦 ミス取り返した八回の佐藤輝と中野
「ロッテ3-2阪神」(29日、ZOZOマリンスタジアム)
阪神は、すべては初回の無得点が響いたような敗戦となったが、そこから八回に2点を返したところに目を向けたい。
初回は無死満塁から、佐藤輝が内寄りの151キロで空振り三振に倒れたが、単に打てなかったということだけではない。立ち上がりから不安定だったロメロにとって、自信を取り戻すような一球となってしまい、後続も倒れる結果となった。
三回には、無死一塁から中野のバントが二塁封殺の一ゴロとなり、さらに二盗を試みたが失敗。初回の拙攻もあり、さらに流れが悪くなる形となったが、打者というのは毎試合、4打席ほど回って来るため、ミスを取り返すチャンスはある。
その中で八回に中野がヒットから二盗を決め、佐藤輝も2ランを放った。序盤に結果が出なくても引きずることなく、まだ取り返せるという前向きな気持ちが必要だということが如実に表れた。
そういう意味で、投手は野手と違い、取り返しにくいポジションだが、伊藤将は状態が良くないように見えた中でも、崩れることなくよく踏ん張った。こういった時にゲームを壊さず投げられることが好投手の条件であり、改めて並の投手ではないなと感じた。敗戦の中にも収穫があり、投打共に、今後の戦いにおいても必要となるものが見えた。