阪神は２日、甲子園球場で行われる３日・ヤクルト戦のチケットが今季初めて完売したと発表した。甲子園が超満員となるのは、新型コロナウイルス感染拡大前の２０１９年シーズン以来３年ぶり。主砲の佐藤輝明内野手（２３）は、プロ２年目で初体験となる超満員の聖地での大暴れを約束。２年連続ＧＷ弾を狙い、大型連勝を導く。

　６連勝中の虎にさらなる追い風が吹く。ゴールデンウイーク真っただ中の３日・ヤクルト戦のチケットが、今季初めて完売となった。超満員の甲子園は１９年以来３年ぶり。天気も快晴の予報で、今季最多の大観衆がナインを迎えてくれそうだ。

　コロナ前は当たり前の光景でも、２年目の佐藤輝にとっては初めての経験。「楽しみです」と心を躍らせ、少年少女のファンへ、大暴れを約束した。

　「子どもたちもたくさん来ていると思うので、いいところを見せられるように頑張ります」

　満員の聖地でアーチを描き、ヒーローとなる青写真を描く。昨季は選手名などがスコアボードにひらがなで映し出された２日・広島戦にプロ入り初の「４番・三塁」で先発出場。“さとうて”は逆転満塁弾を含む５打点をマークし、ど派手な４番デビューを飾ってみせた。今年もヤクルト３連戦で「こどもまつり」が開催される予定で、２年連続アーチの匂いがプンプンと漂っている。

　黄金週間も佐藤輝がキーマンだ。大山の復帰で再び３番に戻ったが、４試合連続安打と好調キープ。東京ドームで３連勝を飾った前カードの巨人３連戦でも菅野から超特大の決勝アーチを放つなど、ポイントゲッターとして最も頼りになる存在だ。

　チームも開幕直後の連敗地獄がウソのように波に乗り、２・５差で追う５位・ＤｅＮＡの背中が見えてきた。連勝中は１試合平均６・３点と課題の得点力不足に解消の兆しが見え始め、先発陣も全ての試合で５イニング以上を投げて責任を果たしている。「勝利の方程式」も確立しつつあり、満員の聖地に帰還するには、これ以上ないタイミングだ。

　「前半、負けているところでも一番観客が入ってくれてるのは分かってるし、就任以来ずっとファンの人を喜ばせたいというのは変わらない。東京ドームでやれた野球をやっていきたいなと思います」

　矢野監督はファンへの感謝と共に、力強い言葉で巻き返しを宣言した。６連勝に自信と手応えがにじむ。虎党の後押しを力に変え、さらなるビッグウエーブを巻き起こす。