阪神 貧打サヨナラ負け 矢野監督に史上最大の試練 プロ野球史上最低勝率・067

 延長10回、ベンチで頭をかく矢野監督(左)。右は井上ヘッドコーチ(撮影・飯室逸平)
 延長10回、サヨナラ勝ちした中日ナインを背に、肩を落として引き揚げる大山
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 「中日1-0阪神」(13日、バンテリンドーム)

 低迷阪神に、さらなる激震が走った。藤浪晋太郎投手(28)、伊藤将司投手(25)、江越大賀外野手(29)の3選手の新型コロナウイルス感染が判明。伊藤将に代わって緊急先発した小川一平投手(24)ら投手陣が奮投したが、打線がわずか3安打では勝てるはずもない。今季2度目のサヨナラ負けで1分けを挟んで5連敗。球団ワーストとなる開幕6カード連続勝ち越しなし。16試合消化時点で勝率・067はプロ野球史上ワーストだ。

 ショッキングな1日に悪夢のような幕切れだ。0-0で迎えた延長十回、6番手・加治屋が1死一、二塁から1番・大島にサヨナラ打を献上。九回を三者三振に斬り、もう1イニングを託されたが力尽き、チームは引き分けを挟み、5連敗だ。

 「本当は1イニングで代えてあげたいというか、そんな状況やったけど、すごく良かったんでね。打たれたことは仕方ないし。結果自体は受け入れるというか、そういうピッチングだったと思う」

 試合後、矢野燿大監督は気丈に話し、加治屋をはじめ、投手陣の奮闘をねぎらった。敗因は元気のない打線だ。首脳陣は2日連続で打線をてこ入れ。近本を1番に戻し、先発・勝野に対して糸井、糸原、木浪ら左打者を並べた。だが、結果には結びつかない。安打はわずか3本、12三振と振るわず。ここ4試合は佐藤輝のソロによる2得点のみ。好機すら作れない惨状に指揮官の苦悩は深くなるばかりだ。

 「みんなの状態がめちゃくちゃ悪いわけじゃないけど、一人一人の状態が上がってこないと。ちょっとつながりにくいんで。もちろんホームランとか出てくればいいんだけど」

 試合前にはチームに激震が走った。この日先発予定だった伊藤将、藤浪、江越の新型コロナウイルス感染が判明。山本、馬場も濃厚接触者疑いで登録抹消され、急きょ代役先発に小川を立てた。鳴尾浜から尾仲、加治屋、石井を招集。臨戦態勢を整えたが、苦境のチームにとっては、まさに緊急事態だ。

 「しんどいのはしんどい。先発投手は3週間くらい、どうしても難しくなるから。その点でも痛い。でも起こったことはどうしようもない。みんなでカバーするしかない」

 矢野監督は苦しい胸の内を明かしつつ、前を向くが、現実には厳しい数字ばかりが並んでしまう。借金13となり、16試合消化時点での勝率・067は史上ワースト。首位・巨人とはついに10ゲーム差に開いた。ただ足を使う野球は取り戻しつつある。打順変更、投手起用、ベンチワーク…。あらゆる手を尽くして、試合を動かすしかない。指揮官の決死のタクトで負の連鎖を止めたい。

 ◆前代未聞の史上最低勝率 これまでのプロ野球史で勝率・067は前代未聞の最低勝率(・000を除く)。これまでは55年・トンボが14試合消化時点(1勝13敗)、79年・西武が16試合消化時点(1勝13敗2分け)で記録した・071だった。さらに付け加えると16試合消化時点の借金13もプロ野球史上ワースト。首位・巨人と10ゲーム差となり、16試合消化時点の首位とのゲーム差は球団史上最大。開幕6カード連続勝ち越しなしも球団ワーストとなってしまった。

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