阪神“甲子園改革”第3弾は国際基準 ウォーニングゾーン4・57mに拡大 守備に好影響も

 外野フェンス際のアンツーカーを広げる工事が行われる甲子園(撮影・山口登)
 92年 大幅改修前の外野アンツーカーは赤土だった
 2019年の甲子園外野
3枚

 阪神甲子園球場の外野フェンス沿いにある人工芝が、約1メートルの従来の幅から国際試合の基準である4・57メートルに広がることが12日、明らかになった。LED照明の設置、新ベース導入に続く“甲子園改革”の第3弾。グラウンド環境の維持向上、球場の美観に加え、外野手はフェンスまでの距離を測りやすくなることでプレーにも好影響が生まれそうだ。

 小雪が舞う甲子園球場で工事は着々と進行していた。“甲子園改革”の第3弾は外野フェンス沿い「ウォーニングゾーン」の人工芝張り替えだ。従来の幅約1メートルから国際試合の基準である4・57メートルへ大幅に拡大されることになった。

 球場施設の担当者は「グラウンドの環境の維持と向上、美観を目的としています。あそこは走ったりしますからね。京セラドームやバンテリンドームなどと同じ素材です」と説明した。工事はアメフトの甲子園ボウル終了後から始まり、今月下旬に完成予定。3月のオープン戦でお披露目となる。

 外野フェンス沿いは練習中のランニングの走路となっており、トレーニングなどで同じ場所を使用すると芝に影響を及ぼしていたという。人工芝の部分を広げることでグラウンド環境の維持につながり、これまで以上に“緑が映える”外野へと生まれ変わる。

 さらに外野手の守備力向上も期待できる。飛球を追う際、芝の違いによって、フェンスまでの距離が測ることができ、チームの課題でもある球際のプレーにも好影響が生まれそうだ。

 時代と共に、甲子園球場は新しく生まれ変わっている。今年から東京ドームや横浜スタジアムと同じLED照明を設置。映像・音響設備と連動した照明演出が可能となり、エンターテインメント性が格段に向上する。

 また、ケガの防止のため、ベースも従来よりも低く、硬い素材で、主にメジャーで使用されているメーカーのものを導入。すでに秋季練習でテストし、今春の宜野座&安芸キャンプでも使用される見込みだ。

 甲子園球場は2024年に誕生100周年を迎える。伝統を守りつつ、革新的な要素も取り入れ、ファンに愛される球場を目指す。

 ◆甲子園球場の改修変遷 1992年にラッキーゾーンが撤去され両翼が96メートルに。リニューアル工事で09年シーズン前には中堅118メートル、両翼95メートルに変更。さらにアルプスや外野スタンドなども改修された。翌10年に甲子園歴史館が完成。18年はトラックマン導入。一、三塁側ベンチはメジャー式となり最前列に座席バーが設置。最前列の選手は立つ形となった。また、前列と後列のベンチは段差もつけられた。20年のオープン戦からは一、三塁アルプス席の1人分の横幅を従来の約1.5倍となる約60センチに広げられた。

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