阪神・近本 赤星超え 4年目球団野手最高の1億5000万円で更改 優勝へ来季も引っ張る
阪神・近本光司外野手(27)が17日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、7500万増の1億5000万円でサインした。入団3年目のシーズンを終えての野手では球団史上最高額で、球界でも巨人・長野の1億6000万円に次ぐ2位となった。来季は優勝のためにも200安打、100得点を目指し、選手会長としてもチームのために動いていく。(金額は推定)
会見場の席に着くと、その目はすでに来季を見据えていた。3年目のシーズンを選手会長としてけん引した近本。1時間を超える更改交渉で個人の話は、わずか15分ほどだった。自身の大台突破はあくまでも通過点。優勝に導くために、来シーズンも猛虎の先頭に立つ決意に満ちていた。
今季は、140試合で打率・313と初の3割に乗せ、リーグトップの178安打、33二塁打、91得点、10本塁打、50打点はいずれもキャリアハイとなった。またゴールデン・グラブ賞、ベストナインも受賞。「素直にうれしいです」と好成績を評価され、7500万増の1億5000万円で更改した。
4年目の年俸で1億円到達は、球団では16年の藤浪以来。野手では04年に1億円で更改した赤星氏以来となり、球団野手の4年目年俸では歴代最高額となった。ただ、大台到達に過剰な意識はない。「そんなに意識はしていないです」と淡々と話した。
自身のことよりも球団に伝えたのは、来季以降の査定方針やチームについて。今季もシーズンが終わった際に、選手役員と球団が集まり意見交換した。「野球も変わってきて、特に投手の査定が変わっている。(今後)どう変えていったらいいのか。コミュニケーションを取っていけたらいいなという話をした」と長くなった更改交渉の経緯を明かした。
目指すのは選手らが野球に集中しやすい環境を整え、優勝できるチーム作り。勝利に貢献するためにもさらなる高みを目指す。「しっかり自分のいいところ、自分の価値っていうのを自分でしっかり作っていかないといけない」。そのためにも「(178安打から)あと22本どう打つか考えてます」と200安打に加え「100得点目指してがんばります」と目標を掲げた。
来季こそ期待される17年ぶりのV。「今年終盤悔しい思いをしましたけど、それを成長の糧にしないといけない。来年しっかり優勝して、多くの人と野球界を盛り上げていきたい」。球界を代表するスター選手の仲間入りを果たし、虎の韋駄天(いだてん)は全力でチームの先頭を走り続ける。