阪神・野村克則コーチ「少しでも父の教えを」選手育成に使命感
昨年2月に死去した野村克也氏(享年84歳)をしのぶ会が11日、神宮球場で開かれ、野村克也氏の息子で阪神の野村克則2軍バッテリーコーチ(48)が、弔辞を読み上げた。父に誓ったのは野村イズムの継承。「『人を遺す』ことは本当に難しい。根気よく一人でも多くの選手を育て、少しでも父の教えを伝えていけたらいい」と使命感を燃やした。
幼少期から「野球の勝敗はバッテリーで決まるんだぞ」とたたき込まれてきた。「野村野球とはなんぞや」と問われ、「ID野球」と答えると「準備野球やろ」と論されたこともあった。データ、相手の分析、作戦面…。全ては試合に勝つためだ。コーチ生活16年目を迎える来季も準備の大切さを伝えていく。
約12分間、メモを読むのではなく、自分の言葉に感謝を込めた。最後は言葉に詰まりながらもゆっくりと祭壇の父の写真、各球団のユニホームを見渡し、語りかけた。「お父さん、みんなが見守ってくれています。天国でおふくろと仲良く野球を見ながらたくさんぼやいてください」-。