阪神に求められる「メンテナンス力」 後半戦失速する選手続出 藤田平氏が指摘

 後半戦、調子を落とした佐藤輝
 後半戦、調子を落としたサンズ
 後半戦、調子を落とした梅野
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 2022年シーズンへ向け、阪神球団OBがチームへ提言する「虎レジェンズの声」。猛虎一筋19年の現役時代に通算2064安打をマークし、95、96年に監督を務めた藤田平氏(74)が3回にわたり意見する。第2回は「攻撃編」。1年通じて、十分なパフォーマンスを維持するための「メンテナンス力」の重要性を強調した。

  ◇  ◇

 ここ数年に言えることだが、前半戦が好調でも後半戦で尻すぼみになる選手が出てしまう。今年なら、1年目だった佐藤輝や梅野、今季限りで退団するサンズら。今オフ、チームや球団が取り組むべき課題のひとつは、選手を「メンテナンス」できるコーチ、環境をつくることだろう。

 調子を落とした選手を2軍へ下げるのは当然だ。今年の問題は調子を取り戻して1軍に復帰した例が見られなかった点。首脳陣は、選手おのおのに応じて適切な助言を送る指導力を身につけることが大切だ。そして選手は1年間戦える体力をつくること。キャンプからでは遅い。今オフからオープン戦、日本シリーズを含めた160試合以上を戦える体力強化を意識して取り組まなければいけない。

 春季キャンプの進め方も見直していい。今年のタイガースの初実戦は2月4日の紅白戦だった。体をいじめる期間を長くしていい。日本一のヤクルトは、初実戦が同15日の紅白戦。「阪神のキャンプは1日見れば分かる」との声も聞かれたが、選手のユニホームは、やはりきれいだった。

 打撃面については、最近は4スタンス理論が取り上げられている。もちろん、その理論に合う選手もいる。ただし、フィットする選手は少ないだろう。気がかりなのは、選手たちが惑わないか、だ。

 走塁面は、来年はもっと勝負どころで挑んでほしい。今年は中野が盗塁王。近本もリーグ2位の24盗塁。ただ終盤に限れば印象に残る盗塁がない。足のある選手が2人もいる。来年は相手からのマークが厳しくなる中、果敢に走れる準備を今オフに期待したい。

 そして、球団OBとして寂しく感じていることは「鳴尾浜発」のスタメンが出ていないこと。今年のレギュラーを見れば、新人と1年目から1軍の試合に出場してきた選手、そして助っ人ばかりだ。これは編成やスカウトの力であり、現場の力ではない。2軍で鍛えられた若い選手がレギュラーの座を奪う姿を楽しみにしたい。

2023-11-05
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