岡田彰布氏 スアレス阪神退団「守護神選定は首脳陣の見極めが重要になる」

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が、自身の見識を基に球界の話題を深掘りする「岡田辞典」-。286回目は守護神のスアレスが退団して空いた「めちゃくちゃ大きい」穴、来季の阪神守護神について提言する。

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 シーズンオフになって、阪神には痛いニュースが飛び込んできた。守護神のスアレスが退団し、メジャーへ移籍することになった。今年の戦いぶりを見ていても、来季に向けて抜けた穴はめちゃくちゃ大きいよ。ほぼ八、九回まで行けば大丈夫やったわけやから。

 絶対的なストッパーの存在は、自チームだけでなく相手に与える影響も大きい。九回まで行けば戦意を喪失するというか、若干でもあきらめのイメージを持ってくれるんよ。特に今年のスアレスは完璧やったわけやから。ここが欠けてしまうというのは、そら阪神にとっては大きいよ。

 当然、後任候補というのは首脳陣の頭には入っていると思うけど、岩崎なのか新外国人になるのか。一番、求められる要素は三振を取れること。僅差の最終回はイレギュラーやポテンヒットといった不運な打球は許されない。確実に三振でアウトを取れる。確実に空振りを奪えるボールを持ったピッチャーということになってくやろうな。

 ただ一つ気になるのは、ここ数年のプロ野球を見ても左のストッパーがいてないことなんよな。昔は江夏さんであり、岩瀬といった存在がおったんやけど、最近はあまり見ない。楽天の松井も長続きせんかったしな。その要因を考えると、キレで勝負するタイプの左腕、もしくはワンポイントで活路を見いだす変則的な左投手が多いイメージよ。

 最終回はホームランも厳禁なだけに、ボールに強さがあるパワーピッチャーが理想。そして前述したように空振りを奪える球種があること。抑えのポジションは簡単に代えることができんからな。さらに終盤が安定していた今年の戦い方を持ったまま来季に臨むと、そのギャップに苦しむことになり、先発陣や打線にも影響する。

 それほどスアレスの存在は大きかった。だから抑えを誰にするか、2月のキャンプ、3月のオープン戦で首脳陣の見極めが重要になるよ。現状はここまでしか言えん。最終的に相手に威圧感を与えるようなストッパーが出てきてほしいな。

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