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阪神・近本が初タイトル・最多安打を獲れた理由 火をつけた同級生ライバルの存在

 2021年の野球界も多くの名場面が誕生した。プロ野球はヤクルトの日本一で幕を閉じ、東京五輪は日本代表が金メダルを獲得。2年ぶりに春夏の甲子園も開催された。取材にあたったデイリースポーツの記者が今年を振り返る企画「番記者ワイドEYE」がスタート。第1回は阪神担当・井上慎也記者(29)が、阪神・近本光司外野手(27)が初タイトルとなる最多安打を獲得する背景にあったDeNA・佐野とのやりとりを明かす。

  ◇  ◇

 3年目のシーズンで、近本が初めて打撃部門のタイトルを獲得した。140試合に出場し、打率・313、10本塁打、50打点と主要3部門で自己最高を更新。積み上げた178安打はセ・リーグ最多安打となった。

 「純粋にこのタイトルを獲れたことをうれしく思います。特にシーズン序盤は打つことができず、チームに迷惑を掛けてしまいましたが、その後は何とか貢献することができたのかなと思います」

 今季も苦手とする開幕直後こそ不振に陥ったが、すぐに脱出。5月の月間打率・347と着実に状態を上げていった。また、マルチ安打60回はマートン(67回)に次いで球団史上2人目の大台。リードオフマンとして打線をけん引した。

 最多安打を強く意識するようになったのは後半戦。同級生であり、ライバルでもあるDeNA・佐野の存在が刺激となった。2人はプロ入りまで接点はなかったが、同リーグでしのぎを削ってきた。佐野は20年に首位打者を獲得。近本にとってはタイトルへ向けて強敵でもあった。

 2人は8月24日から京セラドームで開催されたDeNAとの3連戦で“直接対決”。1戦目開始前の時点で、佐野がリーグトップの115安打で、近本は111安打で4本差と迫っていた。

 初戦と2戦目の試合前、三塁で走塁練習をする近本は、アップ前の佐野と少しの時間だが会話。雰囲気は和気あいあいとした様子だったが、お互いを高め合っていた。

 「佐野選手は僕の安打数とかを気にしているみたいで、そういう話をしていました。『(2人の安打数の差が)あと4本やな、2本やな』とかいう話です。それまで僕はあまり意識していなかったですけど、そうやって話をすることで意識するようになりましたし、同級生でもあって、いい刺激というか。そういうふうに意識させてもらえてよかったと思います」

 近本は1、2戦目を終えて2本差に迫った。そして、3戦目に3安打を記録して1安打上回った。抜き去った後はトップの座を1度も譲らず。着実に安打数を積み重ねて最後まで死守した。

 飽くなき探求心で進化を続ける近本。「200安打というのは目標にあります」。チームを勝利に導くために、来季はさらなる高みへと突き進む。

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