阪神・青柳 リーグトップ13勝 雨中断ニモ負ケズ7回0封 今季初打点「最高の形」
「阪神11-0ヤクルト」(19日、甲子園球場)
絶対に負けられない。その思いが阪神・青柳を投打の“二刀流”に変身させた。投げては7回3安打無失点。打っても1安打2打点2得点と大奮闘だ。勝利への執念を走攻守で体現。最多勝に大きく前進するリーグ単独トップの13勝目を手にした。
「率直にうれしいですね。大事な試合で勝てたっていうのが。野手の方々に感謝です」
初回に1死満塁のピンチ。「調子は良くなかった」と1~4番まで続く左打者に手を焼いたが、サンタナを遊ゴロ併殺打に斬って波に乗った。二回以降は3イニング連続で三者凡退。球数を使いながら凡打の山を築いた。
四回の攻撃前に雨脚が強まり、試合は26分間中断。この“恵みの雨”でパワーを得た「雨柳さん」は、ベンチで集中力を研ぎ澄ませ、2死二塁で打席へ。奥川から四球をもぎ取って好機を拡大させると、島田と中野の連続適時打へつながった。
そして、五回に最大の見せ場が訪れる。2死一、二塁。大下の変化球を捉えた打球が中堅・太田の頭上を越える。4年ぶり通算3本目の二塁打で2点を追加。今季初打点を記録した背番号50は、二塁ベース上でガッツポーズをつくった。
高校時代の打順は8番で本塁打は練習試合で打った1本のみ。「投げるだけじゃなくて他の方でも貢献したいといつも思っているので、最高の形になりましたね」と感触をかみしめるように振り返り、矢野監督も「最高のヒット」と大喜びだ。
憧れの西武・松坂の引退試合と同日に最高勝率の規定となる目標の13勝をクリア。勝率・722で、2冠にも大きく前進した。
今後は優勝争いや最多勝争いの状況次第で、今季最終戦の26日・中日戦(甲子園)に登板する可能性もある。「まだシーズンは終わってないので。また頑張りたいなと思います」と今後を見据えた。
◆最多勝争いライバルたちの動向 青柳と最多勝のタイトルを争う広島・九里は現在12勝で中日・柳は11勝。両投手の今後登板日は、まず九里が前回登板の18日・阪神戦から中5日で24日・広島戦へ。さらに中4日で29日・ヤクルト戦へ回ることが可能となる。柳は前回登板の12日・ヤクルト戦から中8日で21日・阪神戦、そこから中4日で26日・阪神戦に登板できる。