【岡田彰布氏の眼】阪神は負け方が良くない そうなったポイントは原口の代打起用

 「阪神3-13ヤクルト」(9日、甲子園球場)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が9日、甲子園で行われた阪神-ヤクルト戦で本紙の解説を務めた。優勝を争うヤクルトに対して13失点を喫しての大敗に、「ポイントは原口を代打で起用したところ」と指摘した岡田氏。序盤で捕手2枚目のカードを切ったことが、周囲にどういう影響を与えてしまうかを解説した。

  ◇   ◇  

 阪神は13失点の大敗となったが、非常に負け方が良くない。ヤクルトとはまた次週、敵地・神宮で2連戦が組まれている。直接対決の残り試合数を考えても、ヤクルト側からすれば「まだまだ行ける」という勝ち方をさせてしまったように感じる。

 序盤からミスもあったし、高橋の状態も良くなかった。ただこういうゲームにしてしまったポイントとしては、四回に原口を代打で使ってしまったことだ。他の野手もいた中、この時点で残る捕手は梅野のみとなり、ベンチは必然的に3-6の状況から原口に後半戦で初めてマスクをかぶらせなければいけなくなった。

 今季、捕手の守備に就くのはこれが2度目。原口にはこういう言い方をして申し訳ないが、ペナントレースも終盤を迎え、実戦でマスクをかぶる機会が少なかった選手を使うと、チーム、相手、そしてファンから「ゲームを捨てたのかな?」と思われてしまう。

 3点差に追い上げて残り5イニングと考えれば、十分に試合をひっくり返すチャンスはあった。そしてこれ以上の失点を防ぐことを考えれば、五回から梅野にマスクをかぶらせるのが妥当だろう。しかし3人しかベンチにいない捕手の2枚目を切ってしまったことで、梅野を簡単に使えなくなるなど起用法の選択肢は狭まった。坂本に先発マスクをかぶらせ、ゲームの前半で原口を代打で使うのであればもう一枚、捕手をベンチに入れておかなければならない。

 ヤクルト先発・高橋の投球内容を見れば、ベンチはあの回に3点も取れるとは思っていなかったのかもしれない。6点差のままであれば原口にマスクをかぶらせても良かったかもしれないが、3点差で逆転するチャンスが出てくると、この一手に悔いが残ってしまう。ペナントレースは終盤を迎え、相手は優勝を争うヤクルト。簡単に負けてはいけないし、大量失点してのカード負け越しは次回対戦に影響してくる。

 今、チームは9試合連続で先制点を奪われている状況だ。巨人戦で逆転、逆転で勝ってきたが、こういう戦いはいつもできるわけではない。

 広島の鈴木誠も6試合連続本塁打と状態を上げてきており、DeNAは巨人に2勝1分け。今週末に敵地で戦う3試合も簡単にはいかないだろう。しっかりと主導権を握って優位に戦いを進めていくのが阪神の形と言える。そのためにはやはり、先発投手の踏ん張りが必要になる。

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