阪神・二保 亡くなった恩師へ「恩返し」星 矢野監督「二保が来てくれてよかったよ」
「阪神9-3広島」(14日、京セラドーム大阪)
天国の恩師は移籍後初勝利をどんな言葉で祝してくれるだろう-。先発の阪神・二保は「助けてくれた部分もあったのかなと思います。こうやって1勝できて少しは恩返しできたのかなと思います」と感慨深げに語り、在りし日の姿を思い浮かべた。
エキシビションマッチでの猛アピールでローテ入りを勝ち取り、この日はトレードで加入後2度目の先発マウンド。「慎重に入り過ぎました」と初回に先制点を奪われたが、二回以降は粘り強い投球で相手を抑え込んだ。
四回にはプロ初犠打を決めてビッグイニングを演出した。六回に2者連発を浴びて無念の降板となったが、5回1/3を6安打3失点で記念星をゲット。ウイニングボールを手にした試合後、お立ち台で虎党に自己紹介した。
「初めまして、二保旭です。こうしてチームが勝つことができて素直にうれしいです」
九州国際大付時代の監督・若生正広氏が7月27日に肝細胞がんのため死去。「いろいろと考えることがありました」と心を痛めたが、すぐ立ち上がった。「技術うんぬんというよりは自分の体、メンタルの部分を鍛えられたと思います」。若生氏の教えを胸に強い気持ちで戦いの場に向かい、弔い星を届けた。
「どんどん結果を出して『阪神に二保が来てくれて良かった』と言ってもらえるよう頑張りたいと思います」。そう語った後、通りかかった矢野監督から「二保が来てくれて良かったよ。サンキュー」と声を掛けられた。