阪神・伊藤将の「5勝目に納得」その裏にある「ハイレベルな投球術」岡義朗氏の分析

 雨の中、力投する伊藤将(撮影・飯室逸平)
 1回、小園を一塁ゴロに打ち取りベースカバーに走る伊藤将(撮影・田中太一)
 スタンドに手を振る伊藤将(撮影・飯室逸平)
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 「広島0-5阪神」(3日、マツダスタジアム)

 阪神のドラフト2位・伊藤将(JR東日本)が7回を無失点、5勝目と順調に勝ち星を重ねている。社会人出身らしい落ち着いたマウンドさばきが印象的だが、本誌評論家・岡義朗氏が、さらに伊藤将の投球術を深掘りした。

  ◇  ◇

 伊藤将は七回こそ、スタミナも尽きかけたか、あっぷあっぷの投球となった。しかし2死満塁、代打・松山の場面で、矢野監督自らマウンドに赴き、そのひと声で笑顔が見えたことからも、いい「間」となって、最後の力を振り絞り、松山を打ち取ることができた。

 ここは矢野監督のファインプレーだ。五回には中野のビッグプレーで失点を逃れた場面もあった。

 そうした周囲の助けがあっての7回無失点ではあったが、やはり基本的な力が備わってなければ、なかなかここまでの好投はできない。

 特に「投球術を持っているなあ」と思わせられたのが、二回だった。先頭・鈴木誠を四球で出塁させしまうのだが、ここは盗塁企画が十分に考えられるところだ。

 伊藤将のクイックモーションは、現状、プロのレベルとしては遅い部類に入る。それは広島サイドにも伝わっているだろう。しかしこの場面で、うまくけん制を入れ、またクイックが速くなくてもあえて大きく一塁方向に足を上げて、しっかり走者を意識していることを、鈴木誠に見せていた。

 これは、走者がスタートを切りづらい上、打者もタイミングを合わせづらい。将来的にはクイックのスピードを上げて、走られても刺せるようになりたい。しかし、現状でもスタートを切らせないという盗塁阻止技術を備えているということだ。

 ただいいボールを持っているとか、制球がいいといっただけでない、伊藤将の「術」を見て、ここまで5勝の活躍に納得の思いだ。

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