阪神・梅野 ドラ1佐藤輝へ「苦しいときに気持ち的な部分を伝える」
阪神・梅野隆太郎捕手(29)が23日、デイリースポーツの開幕直前インタビューに応じ、2001年春に卵巣がんで亡くなった母・啓子さん(享年34)に16年ぶりのリーグ優勝、また36年ぶりの日本一を捧ぐと誓った。最愛の人を失って20年。今年6月に30歳を迎える息子が天国の母に夢の続きを見せる。チームはこの日、鳴尾浜で全体練習を再開し、梅野も参加。開幕に向けて調整した。インタビューその2。
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-ドラフト1位・佐藤輝(近大)がオープン戦6本塁打でホームラン王。頼りになる。
「今のパフォーマンスをシーズンでも続けてもらいたいですね。チームを勝利に導いてくれると思うので。自分のやれることっていうのはやりやすい環境をつくって、苦しい時に野球のアドバイスというよりも、気持ち的な部分を伝えることだと思っています」
-グラウンドを一歩離れたらどんな後輩?
「いい意味で自分を持っているし、マイペースだし、何ていうかな…。内に秘めた闘志というのはすごいものがあるんだろうなあと。やっぱり注目されて、それをはねのける精神力というか、タフさはもちろんあると思います。浮き沈みがないような感じです。本人がどう思っているかは分からないですけど、いい方向に向いているんじゃないかなとは思うんですけどね」
-開幕投手は藤浪。
「もう表情から違います。打破した部分が出てくるでしょうし。晋太郎で勝てば、なおさらチームに勢いがつくと思いますし。本当に楽しみですね。思い切って引っ張ってあげて、なんとかしてあげたいなという気持ちで開幕を迎えたいです」
-昨年も開幕マスクをかぶったが、2戦目と3戦目は先発メンバーから外れた。全試合出場への思いは強い。
「もちろん、そういう気持ちでやってきました。そういう気持ちは大事だと思います。自分の中で秘めた思いを開幕、また今後に生かしていくということしか考えていないです。とにかく前を向いて、今年は今年の戦いで頑張ります」
-昨年、チームも開幕ダッシュに失敗。
「連勝を多く、連敗を少なくとしていきたいです。沈んだ時にどれくらい早く、1試合でも早く持ち上げられるか。みんなでカバーし合えるかが大事になってくると思います。もちろん全勝していくという気持ちはありますけど、シーズンはそう簡単にはいかない。勢いというのを大事にシーズンを戦っていきたいと思います」
-4年連続のゴールデングラブ賞、初のベストナインなど個人成績も追い求めていく。
「とにかくシーズン通して戦力になるためには、ケガをしないようにしていかないといけないです。それありきの結果だと思うので、自分のやれることを一生懸命やりたいです。やった結果どうなるかは分かりませんけど、最高の形になるのがベストですし、個人としても数字が出ていく世界なので、本当にキャリアハイを目標にやっていきたいなと思っています」
-東京五輪もある。
「もちろん出たいです。日の丸を背負って戦うというのはそんなに甘いことじゃないと思いますけど、チャンスがあればもちろん狙いたいものですし、そういう舞台で戦いたいと思っています」
-大学4年時に日本代表に選出され、日の丸の重みを実感した。
「日米野球で優勝して。こういう最高の舞台というか、こういうところで戦って勝ち切ったという喜びは、いまだに忘れられないので。最高峰のプロ野球の中でそういうことが達成できたら、これ以上ない喜びが感じられるんじゃないかなと。その舞台に立つためにやっていきたいなとは思っています」
-最後に阪神ファンへのメッセージを。
「いい時も悪い時も叱咤(しった)激励をしてくれるタイガースファンの中でプレーできるというのは、喜びです。コロナ禍で(球場に)来たいけど来られない。ここ数年、野球ファンの皆さんは大変だと思います。僕もまた大観衆の中で野球をやりたいです。タイガースという伝統のある球団で優勝するためには、やっぱりファンの皆さんの応援が必要だと思います。選手、タイガーススタッフ全員含めて一丸となって、勝ちにこだわって、みんなで笑えるようなシーズンにしたいです」