阪神・高橋 開幕絶望的…右脇腹筋挫傷 矢野監督「他のピッチャーにはチャンス」
「阪神春季キャンプ」(17日、宜野座)
阪神は17日、高橋遥人投手(25)が前日16日の楽天との練習試合に登板後、沖縄県内の病院を受診し、右脇腹の筋挫傷と診断されたことを発表した。全治期間は明らかにされなかったが、左腕はこの日から別メニュー調整となり、自身初の開幕ローテ入りは絶望的となった。
またしても、期待の左腕をアクシデントが襲った。高橋は16日の楽天戦に六回から登板し、3回4安打1失点。その後に違和感を覚え、沖縄県内の病院を受診したところ、右脇腹の筋挫傷と診断された。
試合では130キロ前半、140キロ後半の直球を使い分ける“脱力投法”を試し、「少しずついい方向にいってるかな」とコメント。今後へ向けて、一定の手応えをつかんだ直後の故障発覚だった。
この日、別メニューでの調整を終えた高橋は「いろんなところで頑張っていた部分が、脇腹に来たのかなという感じですかね。脇腹は初めてケガした箇所なので、自分もよく分からない。探り探りやっていきたい」と努めて明るい表情で話した。
ルーキーイヤーの2018年はシーズン中盤の6月に左肩のコンディション不良で離脱。その影響で翌年も開幕には間に合わず、昨季も6月に延期された開幕を前に、コンディション不良で2軍での調整を強いられた。
それだけに自身初の開幕ローテ入りへ向け、強い意気込みを持っていた。昨季は出遅れながらも自己最多の5勝を挙げ、自身初の勝ち越しも決めた。昨年末の契約更改交渉後には「年間を通してローテに入ったことがない。来年こそは期待に応えられるように」と決意を語っていた。
脇腹は一度痛めると時間がかかる箇所だ。昨季に同じ右脇腹の筋挫傷で離脱した梅野が驚異的な回復を見せ、10日で1軍に戻った例はあるものの、投手となると話は別。1カ月後に迫る開幕のローテ入りは絶望的といえる。
矢野監督は「こればっかりはしゃあない。別に開幕に合わさんでも、いつ出てきてくれてもいい。次の目標を見つけて、終わった時にいいシーズンにすればいいだけのこと」と前を向く。そして「他のピッチャーにはチャンスでしょ。競争はまた激しくなる」と空いた“1枠”を巡る争いの激化を期待した。
左右のバランスを考えれば、現時点での先発ローテ入りが有力な投手の中で左腕はチェンのみ。高橋の離脱が与える影響は小さくはない。