【藤田平氏の眼】阪神ドラ1佐藤輝はドシッとした印象 今は体の開き早いが修正できる
「練習試合、阪神2-2楽天」(16日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)
キャンプ中継などで動きをチェックしていたが、きょう初めて生で佐藤輝のプレーを見た。打席に入った姿からは物怖(お)じせず、ドシッとした印象を受けた。魅力は何と言ってもバットを振り切る、フルスイングができることだ。楽天戦では左投手から2安打した。四回は中堅方向、八回は詰まりながらレフトの前に落ちるもの。特に2本目は振り切ることができているからこそ、詰まっても遊撃手を越えて安打にできたのだ。
ただ、佐藤輝本人も把握しているだろうが、今は体や腰の開きが早い。故にバットが遅れて出て、打球も詰まることも多い。左打者の左投手に対する理想の一つは、遊撃の頭上をライナーで越える打撃。巨人・丸が頻繁に見せている打球だ。
打席での対応力は十分にありそうだ。初回の打席はファウルにこそなったが、バットを折りながら右翼フェンスを越えた。欲を言わせてもらえば、佐藤輝には“飛ばせるポイント”で打つことを意識してほしい。フルスイングは何よりの魅力。同時にスイングで力の入れるポイントを意識しながら練習に取り組んでもらいたい。
今後の対外試合では各球団の主力投手との対戦も増えてくる。いかにエース級に対応できるかがポイントだが、自分の“引き出し”も備えているだろうから、シーズンまでに対応してくるだろう。
守備に関しては、この日初めて実戦で三塁に就いた。近大時代にも守っていたポジションで打球への反応は良い。今キャンプでは外野を中心に練習しているが、この先10年を考えれば三塁のポジションを大山と競わせ、どちらかを一塁に就かせるのも手だ。
将来へのビジョンも大事。内野陣を佐藤輝や大山らの日本人選手で固めて、今後10年を盤石なものにしていくという考えもある。