阪神ドラ1佐藤輝、大器の証明!豪快弾 矢野監督「高さで飛ばせるのは大きな魅力」

 「阪神春季キャンプ」(1日、宜野座)

 プロ野球12球団の春季キャンプが1日、沖縄・宮崎両県などで始まった。コロナ禍で無観客となる中、阪神は沖縄・宜野座村でキャンプインし、ドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=はバックスクリーン直撃を含む9本の柵越えをマークしたが、「完璧じゃない」と自己評価。それでも矢野監督は「高さで飛ばせるのは大きな魅力」と絶賛した。

 まるでボールがつぶれてしまうかのような打球音が宜野座に響いた。打撃ケージに向かう佐藤輝の姿からは、どこか新人離れしたオーラすら漂う。悠然とフリー打撃の打席に立ち、青空に向かって高々と白球を打ち上げた黄金ルーキー。キャンプ初日を終え「疲れました」と素直な感想を口にしたが、周囲に強烈なインパクトを残したことは間違いない。

 フリー打撃で圧巻だったのは30スイング目。高めのボールをフルスイングした打球は中堅方向に一直線。バックスクリーンに直撃する推定135メートル弾を放ち、その場に居た球団関係者、報道陣の視線をかっさらった。

 それでも佐藤輝は「完璧ではないですね」と自己評価は辛い。その理由は打球が全体的に左方向へ飛んでいたこと-。「引っ張っていい打球がいく時が一番、調子がいい。引っ張って(体が)開かずに打つ方が逆に難しいかなと思うので、それができる時は調子がいいですね」

 89スイングで柵越えは9本。右翼席に力強く突き刺したのは1本だけだった。打つポイントが体に近く、スイングからはやや窮屈さも感じさせた。逆方向への打球は狙ったわけではない。これまで培ってきた調子のバロメーターとは異なるからこそ、ここから徐々に状態を上げていくことが必要だ。

 ただケージ裏から熱い視線を注いでいた矢野監督は高い資質を感じ取った。「“高さ”で飛ばせるのは佐藤の大きな魅力。振る力は十二分に通用していくものがあるなと、初日だけ見ても確認できた」。プロ野球界でも特異と言える佐藤輝の“弾道の質”。高く美しい放物線を指揮官の目に焼き付けられたことは収穫だ。

 初めて迎えたプロのキャンプで緊張もある中、決して自分を見失わないのが佐藤輝の強み。先輩たちと肩を並べてプレーし「やっていけないと生き残れない世界。しっかりやっていきたいです」と鼻息は荒い。

 初実戦となる4日の紅白戦へ「しっかりどんどんアピールしていきたいと思います」と力を込めた佐藤輝。この日が100%ではないとすれば、底を見せない可能性に期待せずにはいられない。

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