小山正明氏 外角低めへの強い直球磨け 阪神投手陣は変化球に頼りすぎ

 阪神は今季も悲願の優勝には手が届かなかった。チーム成績は2位ながら、巨人には8勝16敗と大きく負け越し、7・5ゲーム差の独走Vを許した。宿敵を上回るには、どこに課題があるのか。優勝へのカギは何か。監督経験者らレジェンドOBが分析する。第3回は小山正明氏の声。

  ◇  ◇

 今季の阪神先発陣で2桁勝利を挙げたのは西勇と秋山で、ともに11勝だった。ただ、来季も10勝以上を計算できる投手となると、何人もいるわけではない。いかに育てていくかが、チームにとっての大きなテーマとなる。

 私も投手コーチの経験があるが、ピッチングスタッフをそろえるのは昔も今も難しい作業に変わりはない。安定した投球ができるようにするためには、どういう調整をさせるかが重要になる。

 今の投手陣を見ていると、変化球に頼りすぎている傾向がある。時代によって野球も変化していくものだが、今も昔も好投手の条件は共通している。それはしっかりとした強い真っすぐを投げ込めること。そして、その真っすぐを外角低めへきっちり決められるように磨き上げること。それが投球の原点だ。

 変化球の習得も必要なことではあるが、まずは外角低めに強い真っすぐを投げ込めるようになることが先決。それができれば変化球も生きてくる。

 ではいかに投げられるようになるか。これは頭で考えるだけでは絶対に無理。とにかく球数を投げながら体で覚えていくしかない。「肩は消耗品」と言う人もいるが、投球フォームに問題がなければそれなりの球数は投げられるはずだ。

 理想的なフォームを習得するには、まずはキャッチボールから意識して取り組むこと。適当に肩慣らしをするのではなく、球の回転がどうなっているのか。シュート回転していれば、リストの位置がどうなっているのか、どうすれば修正できるのか、など。これはブルペンでの全力投球では気付きにくいポイントだ。球筋を見ながらフォームを調整し、下半身を鍛えることで理想的な投げ方へと近づいていく。投手育成は難しいテーマではあるが、原点に戻ってシンプルな発想から始めてみてはどうだろうか。

 最後に投手陣に深く関係する部分として、できる限り捕手は固定してもらいたい。先発投手との相性はある程度考慮されるとはいえ、中心となる捕手は一人にした方が投手陣は安定する。現状であれば梅野がその1番手になるだろう。今季開幕カード・巨人戦での日替わり捕手のような起用は、やはり理想的ではない。矢野監督も捕手出身だけに十分理解しているとは思う。来季に期待したい。

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