阪神・藤川、若虎へ「一歩前」のススメ 久保田コーチには「スカウト経験生かして」

 今季限りで現役引退した阪神・藤川球児投手(40)が15日、高知市内で行われた高知県ゆかりの個人や団体に贈られる「龍馬賞」の授賞式に出席。今秋のドラフト会議で指名された9選手と新任の久保田2軍投手コーチへエールを送った。新人には「自分の芯を持つこと」の重要性を訴え、久保田コーチには「スカウトの経験を生かしてほしい」と期待を寄せた。

 愛する猛虎の未来を担うルーキーたちへ、藤川が愛情たっぷりの金言を授けた。感動のフィナーレとなった引退試合から5日。興奮の余韻が冷めない中、「言われたことをやるだけではいけない。一歩前へ!」と訴えた。

 「周りの言うことをよく聞きながら、自分の芯を持って、常にコーチ、トレーニングコーチ、トレーナーが求めることのもう一つ前を行ってほしい。二歩前に行こうとすると失敗したり、故障したりする。3~5年かけて(一人前に)なっていくというのは、2軍でやり続けていても後々生きてくる」

 経験に裏付けされた言葉だけに説得力がある。藤川自身、入団当初は故障を繰り返し、1、2軍を行ったり来たり。セットアッパーとして1軍に定着したのは7年目のことだ。野球人生を振り返れば、ブレークまでに費やす時間も決して無駄ではないと言い切れる。

 厳しいプロの世界を生き抜くためには「自分を見つけること」が重要と言う。若い頃はいろんな助言を受けても、年齢を重ねると何も言われなくなってしまう。「自分でやらないといけないつらさがある」とも言った。

 新任の久保田2軍投手コーチにもエールだ。かつて「JFK」を結成し、熱血漢の性格もよく知っている。熱い指導だけでなく、プロスカウトで培った広い視野をチームに還元してほしいと訴えた。

 「続ける強さや自分が故障して苦しんだこととか、追い込むことの重要性とかをどう伝えられるか。うまく伝われば強くなると思う。力強さ、武骨さを持った投手もいれば、体の柔らかさを持った投手もいるわけだから」

 例えば藤川自身と久保田もまるでタイプが違う。新コーチが持つ冷静な“視点”への期待は大きい。故郷・高知で熱を帯びた言葉の数々に、猛虎復活の願いが込められていた。

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