阪神・大山、岡本の前で1差に迫る先制23号 本塁打王へ矢野監督も期待

 「阪神4-1巨人」(2日、甲子園球場)

 お立ち台から拍手が沸き起こるスタンドを見渡すと、自然と表情が緩んだ。豪快な一振りで今季最多の1万5109人を歓喜に導いた阪神・大山。本塁打王争いのトップを走る巨人・岡本の前で、1本差に迫る先制の23号ソロを放ち、勝利を呼び込んだ。

 「チームの勝ちにつながる一打だったので、そこはやっぱり一番大きいですし、そういった一打を増やしていくのはずっと思っているので」

 すさまじい打球音が響き渡ったのは、先頭で迎えた二回だった。巨人先発・今村の初球、真ん中に甘く入ったフォークを強振。打球は失速することなく左翼席に届いた。

 9月29日の中日戦以来、3試合ぶりの一発。岡本の背中を捉え、本塁打キングが見えた。阪神選手の本塁打王となれば、1986年のバース以来34年ぶり。日本選手では84年の掛布雅之以来、36年ぶりの快挙。ラッキーゾーンがなくなった92年以降、最多本塁打のタイトル獲得者は出ていない。

 4年目で確かな成長を示す若き主砲。矢野監督は「もちろんここまで来てるんでね、ホームラン王を最後に獲ってもらいたい」とさらなる奮起を促した。

 ただ、本人が意識するのは個人の記録よりもチームの勝利だ。「一本、一本なので。いきなり30本に増えるわけではないですし。シーズンが終わった時に何本かなので。今は次の試合をどう戦うのかを(考えて)やっていきたい。タイガースの代表として試合に出ているので」と先を見過ぎず、目の前の打席に全神経を研ぎ澄ましている。

 シーズンも残り32試合となったが、「最後まで諦めず、一球一球、泥くさくやっていきたい」とファンに誓った。猛虎打線の核となる若武者が、その打棒でチームを鼓舞し続ける。

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