岡田彰布氏「あのストレートは間違いなく通用する」恩師が明かしたJFK誕生秘話

 お立ち台に勢ぞろいした「JFK」(左から)ウィリアムス、藤川、久保田=2005年8月17日
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 阪神・藤川球児投手(40)の今季限りでの現役引退が発表されたことを受け、元監督でデイリースポーツ評論家の岡田彰布氏(62)は8月31日、「最後までやりきってほしい」とメッセージを送った。前日に教え子から直接、引退表明の報告を受けたという岡田氏。2軍監督時代にリリーフ転向を勧め、2005年優勝の原動力となったJFK誕生秘話を明かした。

  ◇  ◇

 昨日の夜、本人から連絡が入って「今季限りで引退します」ということを伝えられた。右肘の状態があまり良くなくて、キャンプから万全ではなかったみたいやな。でも本当にここまで頑張ってくれて、まずはお疲れさんという言葉しかない。これだけ長く第一線で活躍してくれたわけやし、アメリカでもプレーした選手やからな。

 考えたらホンマに長いことプレーしてくれて。野球選手として引退というのはいつか絶対に来るものなんやけど、やっぱり先発やったらここまで長くは続けられなかったんとちゃうかな。

 藤川にリリーフ転向を勧めた要因は“器用”さ。フィールディング、けん制とか何でも器用にこなす選手やけど、唯一、球児には変化球を操るという器用さがなかった。先発ピッチャーやったら最低でも5球種は持っていて、その中で配球を組み立てていく。

 でも藤川はそれができんかった。先発の時はチェンジアップとか投げていたけど、やはりストレートと比べれば劣ってしまう。一方であのストレートは1イニングであれば間違いなく通用する。変化球はフォークさえあればいい。そう考えてリリーフを勧めた。確か2000年ごろ、2軍戦で先発させて打たれた後だったと思う。

 監督になることが決まった時、絶対に使うから残してくれと球団にお願いしたのも思い出深い。04年の夏場以降にリリーフで起用してみて、1軍で使えるという確信を持てたから、翌年はJFKを形成することができた。

 3人にもそれぞれ特徴があって、七回は試合の流れが変わるポイント。一番ボールが速い藤川をという考えもあったし、あの当時は体力面で不安もあった。後ろを任せたウィリアムスは経験も豊富やし、久保田は一番スタミナがあった。

 たとえ藤川が打たれても、違うタイプのウィリアムスがカバーできるし、久保田はイニングをまたぐことができる。いろんなことを考えてその組み合わせでスタートしたんやけど、以降はストッパーというポジションでもチームを支えてくれた。

 まだ今季は11月まで公式戦がある。シーズン途中での引退表明ということになるんだけど、最後まで1軍復帰を目指してやるということやから、悔いのないようにやりきってほしい。そして若い選手たちに得た経験というモノを少しでも伝えてほしい。

 やはりこれだけの実績を残してきた選手やから。若手選手が参考になることはいっぱいあると思う。阪神タイガースのために、後輩たちへ一つでも多くのモノを残してあげてほしい。

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