阪神貯金ターン “マツダ男”大山が延長V撃 サンズ敬遠に燃えた

 延長10回、決勝の適時三塁打を放ち激走する大山(撮影・飯室逸平)
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 「広島3-5阪神」(30日、マツダスタジアム)

 大山、ありがとさ~ん!!阪神は同点の延長十回に大山悠輔内野手(25)が決勝の2点三塁打を放ち、折り返しとなる今季60試合目で貯金ターンを決めた。カウント3ボールから振り抜いた一打で、2カ月連続の月間勝ち越しも決定。7月29日以来の貯金「1」を持って臨む9月1日からの後半戦は、首位・巨人を猛追するで!

 三塁に到達した大山は手をたたき、右手をベンチに突き出した。3-3の延長十回2死一、二塁。3ボールから、守護神フランスアの149キロを迷わず振り抜いた。打球は前進守備の外野を越えて、右翼・鈴木誠のグラブをはじく。主砲の意地が前半戦の貯金ターンを呼び込んだ。

 「(走者)二塁になったところで勝負は僕だろうなと思っていたので、打つしかないと思っていました。自分で決めるという気持ちで打席に入りました。チームとして、勝ちに向かう中での得点になったので良かったです」

 しびれる場面でも心は熱く、頭は冷静だった。4番・サンズは3ボールから申告敬遠された。高ぶる感情を抑えつつ、バットに執念をぶつけた。試合後のヒーローインタビューでは「本当にホッとしています」。満面の笑みを交え、チームの勝利を喜んだ。

 大山には何度も試練が訪れる。今季は開幕ベンチスタート。昨季の4番が開幕戦はイニング間のキャッチボール役も務めた。マルテの離脱で「4番・三塁」を取り戻したが、8月は低空飛行。20日の巨人戦からサンズに4番の座を明け渡した。

 今カード初戦の試合前練習では矢野監督から直接指導を受けた。指揮官の「気づいたことは伝えていこうと思う」という親心に応え、3連戦は14打数6安打、打率・429。ここぞの場面での勝負強さを求めてきた虎将も満足顔でうなずいた。

 「いろんなことで自信がついてくると思うけど、アイツもそういうふうに思って臨んでくれている。1個1個自信にしたり悔しさをパワーに変えてやっていくしかない。それの繰り返しなので」

 昨季は4番に108試合座り、その醍醐味(だいごみ)を知った。「打てなくて負けたときの悔しさは大きかったけど、その分、打って勝った試合は喜べた」。4年目の今季も壁にぶつかりながらも一歩一歩、成長の跡を刻んでいる。

 9月は1日から13連戦が控え、30日間で26試合を戦う。未体験の過密日程へ「厳しい戦いが続くと思いますが、一試合、一試合、全員で戦っていきたい」。後半戦も主砲のバットで、チームを上昇気流に乗せる。

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