阪神・近本 九回あと一人からの同点打!2戦連続スタメン落ちに燃えた

 9回、同点打を放つ近本
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 「阪神3-3広島」(22日、甲子園球場)

 誰もが祈った。試合終了まであと1アウト。阪神の近本のこん身のひと振りから放たれた白球が緑の芝生に弾んだ瞬間、矢野監督が何度も拳を突き上げた。起死回生の同点適時打。2試合連続でスタメン落ちを味わった男が土壇場で意地を見せた。

 1点を追う九回だった。先頭の梅野が遊撃への内野安打で出塁。続く、陽川が犠打を決めて1死二塁とした。だが、木浪は左飛。反撃を願う球場には深いため息で包まれた。近本はネクストでバットを入念に振り、打席へと向かった。

 「どんな状況であっても自分のやるべきことは変わらないですし、あの場面ではランナーをかえすことが1番だったので。しっかりランナーをかえすことができてよかったです」

 カウント1-1から菊池保のフォークに反応。力強く振り抜いた打球は右前へ。二走・植田が一気に生還して試合を振り出しに戻した。

 ここまで打率1割台と打撃不振に陥っている2年目のシーズン。前夜に続き、この日もベンチスタートとなった。なかなか抜け出せない長いトンネル。だが、現実からは逃げない。何かきっかけをつかもうとプロ22年目の福留から助言を受けることもあった。足の上げ方やタイミングの取り方…。一度は復調したかに思われたが、完全に打破することはできなかった。

 そんな状態の中、九回から中堅の守備に就き、託されたチャンス。矢野監督は「代打は考えてなかった。チカもね、ベンチで悔しい思いをしている。ああいうところで打ったというところで、またはい上がってきてもらいたい」と期待に応えた背番号5を称えた。

 次戦から打撃好調だった主将・糸原を欠くだけに、願わずにいられない近本の復調。勝負強さを示した一打をきっかけにしたい。

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