阪神外国人選手列伝 2010年、メッセンジャー先発転向で開花、マートンはポスト赤星

 阪神は2020年、球団史上最多となる外国人選手8人体制でV奪回に挑む。球団創設85周年のメモリアルイヤー。かつてタテジマのユニホームに袖を通した助っ人を年度別で振り返る。2010年はマートンとフォッサム、メッセンジャーが加入。4月にスタンリッジを獲得した。

 マートンは「ポスト赤星」と期待されて入団。「ニホンノミナサン、ハジメマシテ マートンデス。イマココニコレテ ホンマニウレシイデス」。あいさつは来日前に必死に勉強した日本語だった。赤毛の助っ人はトップバッターとして大活躍した。144試合に出場して打率・349、17本塁打、91打点。214安打を放ち、当時のシーズン最多安打記録を塗り替えた。阪神には15年まで6年間在籍し、10~11年、13年は最多安打、14年は首位打者のタイトルを獲得。4度ベストナインに輝くなど、中心選手としてチームを引っ張った。

 メッセンジャーもこの年に入団した。愛称は「ビッグ・メス」。入団時は「打たれるまで真っすぐを投げて、打者にアタックしていく」と宣言。当初セットアッパーとして期待されたが先発転向して実力を発揮した。1年目は26試合、5勝6敗、防御率4・93にとどまったが、2年目以降は先発陣の柱として君臨する。19年まで10年間プレーし、通算98勝(84敗)をマーク。14年は最多勝、13~14年は最多奪三振のタイトルを獲得し、開幕投手を6度務めた。ラーメン好きとしても知られた。「メッセの豚骨しょうゆラーメン」は甲子園の選手プロディースメニューの中でトップの売り上げを記録するなど人気を博した。

 スタンリッジは10年4月に加入。07、08年はソフトバンクでプレーしていた。「歴史ある球団のユニホームを着られて光栄ですし、早くプレーしたい」と意気込むと、7月6日・ヤクルト戦で初完投、同19日・広島戦で初完封を記録。1年目は23試合に登板して11勝5敗、防御率3・49と奮闘した。ナイトゲームに強く、「夜王」と呼ばれた。13年まで阪神でプレーし、計35勝を挙げた。14~15年はソフトバンク、16~17年はロッテでプレーしている。

 左腕のフォッサムは12試合、2勝5敗、防御率5・72に終わったが、真弓監督2年目の10年は2位となった。

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